ここ最近の神ドラフト(前編)

プロ野球ファンの毎年の楽しみの1つ、ドラフト会議。注目の新人がどこの球団に入るのか、1位は誰を指名するのか、選ばれるドラフト候補はもちろん、テレビで観てる僕もドキドキしてます。選ばれる選手にとっては、配属先が決まるような事ですからね。

 

しかし、ドラフトは1位の選手より、下位指名した選手の方が活躍する可能性も充分あります。当然注目度や期待は1位選手が1番高いですが、数年後にならないとドラフトの結果なんて分かりません。

 

という訳で今回は、ライオンズがこれまで指名した選手の中で、個人的に獲れて良かった、この順位でこの選手が獲れた、あの時この選手を指名してなかったらと思うと怖い、、と言った指名を前編と後編に抜粋させて書かせて頂きます。

 

10年ドラフト2位 牧田和久 投手 右投右打

静清高等学校〜平成国際大〜日本通運

社会人出身の即戦力右腕。高校時代にアンダースローに転向し、アンダー特有の球筋とテンポの良さが売りの投手。

1年目から先発で起用され初勝利を完封で飾る。その後チーム事情で抑えに転向し、新人王受賞。2年目以降は先発、抑え、ロングリリーフ、セットアッパーして様々な場面で起用され、WBCにも2度選出。起用法を問わない所から「困った時の牧田」とも言われた。

登板前はネガティブになり、かなりえずくらしいが、マウンドに上るとポンポンポンと抑えてしまう。

17年オフにポスティングでメジャー移籍、その後、2020年からは楽天に所属する。 

 

10年ドラフト3位 秋山翔吾 外野手 右投左打

横浜創学館高校〜八戸大学

今や球界トップクラスのヒットメーカーの1人となった秋山選手。本来ならソフトバンクが2位で指名予定だったが、柳田選手を指名した為、ライオンズが3位指名。

1年目から開幕スタメンに抜擢、荒さはあったものの俊足と強肩は評判通りだった。2年目以降も着実に成長していき、15年に日本最多安打記録を樹立。俊足、強肩、広い守備範囲でセンターを守り、打席ではヒットを重ねる天才。

また、影には隠れているが、14年途中から19年まで、ずっとフル出場でセンターを1人で守っていた。

20年からは念願のメジャー挑戦。ライオンズの安打製造機が、世界で通用する姿を見せて欲しい。

 

10年ドラフト6位 熊代聖人 外野手 右投右打

今治西高校〜日産自動車王子製紙

高校時代はエースで4番、現在は内外のバックアップ。入団以来打撃が課題のものの、内外を守れ固い守備と俊足強肩が武器で、チームを盛り上げるムードメーカー。優勝のビール掛けで中締めを務めて爆笑を起こした男。試合前の「訓示」はファンの楽しみの1つで、彼の守備力と、盛り上げ役は数字以上にチームに貢献してくれてると思う。

盛り上げ役の内外のユーティリティとして、これからもチームのベンチに安心感を与えて欲しい。

 

11年ドラフト1位 十亀剣 投手 右投右打

愛工大名電高〜日本大〜JR東日本

150キロを超えるストレートが武器のサイドスロー。社会人ナンバーワンの評価を受け、ライオンズが単独指名。先発中継ぎをこなせる器用さと、二桁勝利の経験もある投手。

好不調の差が大きく、ソフトバンクの松田選手との相性の悪さがネタにはなってしまってるが、19年のオフに流失続きのライオンズにおいてFA権を行使して、3年契約で残留してくれた。

通算51勝を挙げ、年間100イニングは期待出来る投手は、実は移籍されたら厳しく、さらに十亀投手は生え抜き投手最年長になる為、投手陣の兄貴的存在として、これからも投手陣をまとめて欲しいと思う。

 

12年ドラフト1位 増田達至 投手 右投右打

 柳学園高〜福井工業大NTT西日本

東浜投手を3球団競合で外し、外れ1位で広島との競合で獲得した投手。150キロを越すストレートでねじ伏せるリリーフタイプの右腕。

1年目からリリーフの一角としてプレーして、15年には最優秀中継ぎのタイトルを獲得。16年からは抑えに配置転換され、18年は不振だったものの、19年には30セーブで胴上げ投手になる。

プロ入り7年間で全てのシーズンで40試合以上登板している為、タフさも持ち合わせている。

普段はマイペースで淡々と仕事をこなすタイプだが、今9回のマウンドを託せるのはこの男しかいない。抑えのプレッシャーは大変だと思うが、今季もストレートとフォークで三振を奪って最後を締めて欲しい。

 

12年3位 金子侑司 外野手 右投両打

立命館宇治高〜立命館大

俊足のイケメンスイッチヒッター。最大の武器は、盗塁王に2度輝いた俊足と盗塁技術。

内野手として入団したが、ポジションの編成を経て外野へとコンバート。俊足を活かし、帽子を落とす中、好プレーでチームの窮地を数々救ってきた。打撃面にやや課題を残すが、出塁出来た時の相手へのプレッシャーは大きい為、出塁の効率を上げる攻撃が得点向上のポイントとなる。

今年でFA権を取得予定だが、既に十亀投手に続き、大型契約を結んでいる。流失続きのライオンズにとって嬉しいニュースでもあり、心もイケメンな選手だ。

今シーズンは、センターのコンバートが有力視されており、1番打者としての役割を期待されている。自身の座右の銘である「華麗奔放」なプレー、今年も期待している。

 

2012年4位 高橋朋己 投手 左投左打

加藤学園高〜岐阜聖徳学園大〜西濃運輸

本当に申し訳ないのだが、ドラフト指名の時はここまでの投手になるとは思わなかった。ドラフト時は怪我で評価を落とし、4位での指名。その後プロ入り後にリハビリを行い、シーズン後半にプロ初登板とかなり遅れてしまった。

しかし、そこからピッチングは凄まじく、左の独特な投球フォームから繰り出されるストレートは球威、球速抜群。右投手の胸元にも臆せず投げられ、翌年から抑えに指名された。

特に14年はチームが低迷する中、抑えとして29セーブ。奪三振率は驚異の11.49を記録。日本代表にも選ばれ、ライオンズの数少ない希望の光だった。

しかし、怪我が多い選手でもあり、現在は育成でリハビリを行なっている。

怪我持ちから駆け上がり、日本代表にも選ばれた剛球左腕。絶対に必要な戦力なので、背番号を43に戻して、ドームでともみーコールをする時をいつまでも待っている。

 

13年ドラフト1位 森友哉 捕手 右投左打

大阪桐蔭

ここ10年のドラフトの中で、個人的に衝撃だったのか13年のドラフト。投手豊作の中、ライオンズは独自性を貫き、森選手を単独指名。これが今に繋がる最高の指名だった。

オリックスジュニア優勝、1個先輩の阪神藤浪投手と共に春夏甲子園連覇。U-18の主将や、アマチュア野球の代表経験などの充分過ぎる実績を引っさげ、入団。

1年目の8月に早くも一軍初昇格。いきなり3試合連続本塁打を放つなどド派手なデビューを飾る。

2年目はDHでオールスターに選ばれ、その後も着実に成長していく。そしてついに18年、打てる捕手としてリーグ優勝に大きく貢献。19年は炭谷選手の移籍で、真価の試されるシーズンとなった中、守備では投手陣をリードし、打撃では首位打者に輝くなど文句なしのMVPを受賞。

タメ口やオラついた性格と元ヤンが垣間見る所もあるが、野球に対しては真面目で、先輩からも非常に可愛がられている。

独特の構えからの、気持ちいいフルスイングは誰にも真似出来ない。令和最強の打てる捕手は今年どんな打撃成績を残してくれるのか非常に楽しみである。

 

2013年2位 山川穂高 内野手 右投右打 

中部商業高〜富士大

このドラフトから6年後に2人のMVPが選ばれる。1人は森選手、もう1人がこの山川選手。

体型やプレースタイルは憧れてるチームメイトの中村選手にそっくりなスラッガータイプの選手。他球団もリストにあったが、守備難があって下位指名と予想される中、ライオンズがパワーに惚れ込み2位指名。この頃からライオンズは一芸に特化した野手を指名していく感じはある。

巨体の見た目に似合わず、ピアノや書道が特技で話題になったが、肝心の長打力は3年間披露できずトレード候補とも言われた。

開花したのは4年目の後半、3打席連続ホームランを放ち、その後もハイペースでホームランを量産しついに覚醒。2ヶ月連続MVPを獲得し、4番に座る。

18.19年はご存知の通り、完全にホームランアーティストととして活躍。2年連続で40発以上と120打点以上を記録。入団時の目標だったホームラン王に2年連続で輝く。1位の森選手に比べてやや遠回りにはなったが、同期でクリーンアップを組めてる辺り、未来を見据えたドラフトは大成功だったと思う。

秋山選手が「天才」、森選手が「バケモノ」なら山川選手は「怪物」ではないだろうか。

日本人最速で100号を放ち、今年から背番号3を背負う。真の強打者として、3年連続ホームラン王、最速で150号、200号を達成して欲しい。

 

2013年6位 岡田雅利 捕手 右投右打

大阪桐蔭高〜大阪ガス

前編ラストはかつて高校時代に日ハム中田選手とバッテリーを組んだ岡田選手。社会人6年の経験から即戦力捕手として期待された。ワンバンの捕球と安定感のある守備が売りの選手。

安定した守備を武器に、控え捕手としてのポジションを獲得。打撃も年々粘りが増え、代打として起用もされた。

ライオンズ入団後はムードメーカーとしても重宝され、投手が若手投手や十亀投手、外国人投手の時は先発マスクを被る事が多い。

18年のライオンズ捕手陣は、攻撃型の森選手、守備型の炭谷選手、そしてバランス型でコミュニケーションが高い岡田選手とレベルの高い3人が1軍に在籍していた。

炭谷選手移籍後は2番手捕手として、チームに欠かせない戦力となっている。粘り強い打撃と堅実な守備で、他球団なら間違いなくレギュラークラスのキャッチャーだと思う。実は6位ながら良い選手獲得となった。

 

というわけで神ドラフト前編でございました。

納得の選手から意外な選手まで様々だったと思いますが、ここに載ってない選手ももちろん応援させて頂いてます。

では次回の後編でお会いしましょう

 

p.s.

13年ドラフトの動画、未だに見ても衝撃的