西武ライオンズ10年間のドラフト結果

先日里崎智也さんが、自身のYouTube西武ライオンズのスカウト陣は素晴らしいと発言くれました。確かにライオンズはFAでの流失が止まらないチームですが、逆を言えばドラフトで指名した選手が他球団に欲しがられる程成長していると言うことです。

 

という事で今回は、ここ10年間のライオンズのドラフトを振り返ってみたいと思います。

先日弟の応援する日ハムをやった時に、やっぱりライオンズもやりたいと思いました笑

 

ドラフトは5年経たないと結果が分からないと良く言われています。そこで振り返る年のうち、10〜14年までは高卒含め戦力になっているか、15〜19年は即戦力は即戦力として活躍しているか、素材型は成長しているかを見ていきたいと思います。

簡単な自己評価もつけているので併せてご覧ください。

 

それではどうぞ

 

2010年 

1位 大石達也 投手  早稲田大

2位 牧田和久 投手  日本通運

3位 秋山翔吾 外野手 八戸大

4位 前川恭兵 投手  阪南大学

5位 林崎遼  内野手 東洋大

6位 熊代聖人 外野手 王子

当時の予想1位指名→大石達也

実際の1位指名→大石達也

ドラフト時100点→現在95点 評価S

なんと言っても6球団競合で大石投手の交渉権を獲得。しかし大学では主にリリーフながら、慣れない先発起用案を出され、肩の怪我で離脱。以降思うような成績が残さず引退となってしまった。

だが2位では牧田投手、3位で秋山選手と日本代表を2人獲得。当時アンダーハンドの需要がそこまで高くない牧田投手を2位、他球団のリストにも載っている中、秋山選手を3位で獲得出来たのはかなり大きかった。更に以前のブログでも書いた熊代選手を6位で獲得。バックアップ要因としては申し分ない。

牧田、秋山選手獲得で100点をつけたい所たが、やはり1位の大石投手が活躍出来なかった分5点引かせて頂いた。

 

2011年

1位 十亀剣   投手  JR東日本

2位 小石博孝  投手  NTT東日本

3位 駒月仁人  捕手  塔南高

4位 永江恭平  内野手 海星高

5位 田代将太郎 外野手 八戸大

育1   藤澤亨明  捕手  松本大

当時の予想1位指名→藤岡貴裕

実際の1位指名→十亀剣

ドラフト時80点→現在60点 評価B−

この年は菅野、野村、藤岡投手の大学BIG3が注目される中、他球団の外れ1位候補で多く挙がってた社会人の十亀投手を一本釣り。少々驚いたが、現在はベテランとして投手陣をまとめる存在になっている。

しかし、2位以下は少し寂しい。2位の小石投手は独特なフォームが話題になったが、即戦力としてはやや物足りない成績で終わってしまい、5位の田代選手はヤクルト移籍後に最高成績を収める形となった。3位の駒月選手が打てる捕手として、4位の永江選手に打力がつけば評価も変わってくるが、現段階では辛めの評価とさせて頂く。

なお、藤澤選手がライオンズの中で史上初の育成指名となった。

 

2012年

1位 増田達至 投手  NTT西日本

2位 相内誠  投手  千葉国際高

3位 金子侑司 内野手 立命館大

4位 高橋朋己 投手  西濃運輸

5位 佐藤勇  投手  光南

育1   水口大地 内野手 香川オリーブガイナーズ

当時の予想1位指名→藤浪晋太郎

実際の1位指名→東浜巨

ドラフト時80点→現在90点 評価A

1位指名の東浜投手を3球団競合で外し、リリーフタイプの増田投手を外れ1位で獲得。入団以降中継ぎ、セットアッパーを経て今では守護神を務めている。広島との競合だったが、獲れて本当に良かった。

1年目から開幕スタメンに名を連ねたのちの盗塁王金子選手や、驚異の奪三振率を誇る左腕高橋投手の獲得にも成功。ただ2位の相内投手が未だ殻を破れない。長身に速いストレートと素材は一級品。あとはメンタルなのか何か一つ身につければ戦力になれるはず。

1位を外した為当時は辛めに採点したが、今となっては増田投手で良かった。良い意味で手のひら返しされたドラフトだった。

 

2013年

1位 森友哉   捕手  大阪桐蔭

2位 山川穂高  内野手 富士大

3位 豊田拓矢  投手  TDK

4位 金子一輝  内野手 日大藤沢

5位 山口嵩之  投手  トヨタ自動車東日本

6位 岡田雅利  捕手  大阪ガス 

7位 福倉健太郎 投手  第一工大

当時の予想1位指名→吉田一将

実際の1位指名→森友哉

ドラフト時85点→現在95点 評価S

松井、大瀬良投手らに人気が集中する予想の中、ライオンズは独自性を貫き森選手の一本釣り、2位に山川選手の指名に成功。あとから聞いた話では、阪神さえ来なければ森選手の一本釣りは出来るのが分かっていたらしい。入団後の活躍はご存知の通りで、山賊打線の中軸として山川選手が4番、森選手が打てる正捕手として大ブレイク。2年連続でMVPを獲得する大成功ドラフトとなった。6位の岡田選手も控え捕手としては充分過ぎる隠れた好指名だった。

ただ投手豊作の中、3人の投手が結果を残さず退団となってしまった為、そこだけ減点させて頂いた。

 

2014年

1位 高橋光成 投手  前橋育英

2位 佐野泰雄 投手  平成国際大

3位 外崎修汰 内野手 富士大

4位 玉村祐典 投手  敦賀気比高卒 

5位 山田遥楓 内野手 佐賀工高

育1    戸川大輔 外野手 北海高

当時の予想1位指名→高橋光成(公言)

実際の1位指名→高橋光成

ドラフト時80点→現在90点 評価A

13年に比べてこの年は不作のドラフトと言われた。ライオンズは久々に1位指名を公言し、高卒1番人気の安樂投手ではなく、高橋光成投手の1位指名一本釣りに成功。やや時間は掛かったが2桁勝利を達成してくれた。2位の佐野投手も19年にリリーフ要因として一軍の戦力となってくれた。中でもこの年は3位の外崎選手の覚醒が大きい。今では内外を守れ俊足とパンチ力のある打撃でチームに大きく貢献してくれている。当時は良い選手を指名したとは思ったけど、まさかここまでの活躍をしてくれるのは嬉しい誤算である。

不作の年の中、ライオンズは良いドラフト結果になった球団ではないだろうか。

 

2015年

1位 多和田真三郎 投手  富士大

2位 川越誠司   投手  北海学園大

3位 野田昇吾   投手  西濃運輸 

4位 大滝愛斗   外野手 花咲徳栄

5位 南川忠亮   投手  JR四国 

6位 本田圭佑   投手  東北学院

7位 呉念庭    内野手 第一工大

8位 国場翼    投手  第一工大

9位 藤田航生   投手  弘前工高

10位 松本直晃  投手  香川オリーブガイナーズ

当時の予想1位指名→多和田真三郎(公言)

実際の1位指名→多和田真三郎

ドラフト時70点→現在55点 今後の期待値B

(※15年以降はプレー年数が5年以内の選手になる為、ドラフト評価から今後の期待値に変えさせて頂きます。)

2年連続で1位指名を公言。富士大の多和田投手を一本釣りし、3年目には最多勝に輝く活躍を見せた。しかし、2位以下の選手の活躍が申し訳ないが物足りない。即戦力の3位野田投手がここ2年は不安定な投球が続き、南川、松本投手らも結果を残せず退団となった。その中で、昨年本田投手が6勝。国場投手が中継ぎでプロ初勝利を果たし、翌年の飛躍のキッカケを掴んだ印象。個性的な選手を多く指名したが、1軍戦力と言えるのが多和田投手と本田投手だけなのが寂しい。

先程の国場投手、野手転向の川越選手、身体能力の高い愛斗選手らが活躍出来れば評価ももっと上がってくると思う。

 

2016

1位 今井達也  投手  作新学院

2位 中塚駿太  投手  白鵬

3位 源田壮亮  内野手 トヨタ自動車

4位 鈴木将平  外野手 静岡高

5位 平井克典  投手  Honda鈴鹿

6位 田村伊知郎 投手  立教大

当時の予想1位指名→藤平尚真

実際の1位指名→今井達也

ドラフト時85点→現在95点 今後の期待値A

当時岸投手がFAで抜けるか微妙の中、高卒の今井投手一本釣りした勇気はお見事。そして3位で源田選手を指名。入団からわずか3年で球界を代表するショートの1人へと大きく成長した。さらに、5位の平井投手も酷使問題がありながらもセットアッパーとして欠かせない存在に。この2人でお釣りが来るものの、今井投手や鈴木選手のさらなる成長も期待できる。ただ2位の中塚投手が素材は素晴らしいものの未だ殻を破れてない。非常に期待してる選手なだけに、手薄なリリーフ陣の一角に割り込む活躍を今年こそ期待している。

 

2017年

1位 齊藤大将 投手  明治大

2位 西川愛也 外野手 花咲徳栄

3位 伊藤翔  投手  徳島インディゴソックス

4位 平良海馬 投手  八重山商工

5位 与座海人 投手  岐阜経済大

6位 綱島龍生 内野手 糸魚川白嶺高

育1    高木渉  外野手 真颯館高

育2    斉藤誠人 捕手  北海道教育大岩見沢

当時の予想1位指名→田嶋大樹(公言)

実際の1位指名→田嶋大樹

ドラフト時60点→現在65点 今後の期待値A

田嶋投手を抽選で外し、似たタイプの齊藤投手を指名。強気なピッチングが持ち味なものの、制球難で未だ一軍定着出来ていない。左投手としての個性を今年こそ発揮して欲しい。この年は素材中心の指名の為、まだ結果は判断出来ない。2位の西川選手は2軍で天才的なバッティングを、3位の伊藤投手、4位の平良投手は10代にして一軍マウンドを既に経験。5位のアンダーハンド与座投手、6位のスピードに定評のある綱島選手と素材としては申し分なし。育成含め全員が1軍で活躍出来る選手だと思っている。

 

2018年

1位 松本航   投手  日本体育大

2位 渡辺勇太朗 投手  浦和学院高 

3位 山野辺翔  内野手 三菱自動車岡崎 

4位 粟津凱士  投手  東日本国際大

5位 牧野翔矢  捕手  遊学館高 

6位 森脇亮介  投手  セガサミー 

7位 佐藤龍世  内野手 富士大 

育1    東野葵   投手  日本経済大 

育2    大窪士夢  投手  北海高 

育3    中熊大智  捕手  徳山大 

当時の予想1位指名→松本航

実際の1位指名→松本航

ドラフト時100点→現在95点 今後の期待値S

即戦力、好素材とバランスが取れた当時最高のドラフト。1位の松本投手は出遅れたものの、7勝を挙げリーグ優勝に貢献。森脇投手、龍世選手も限られた中、持ち味を存分に発揮してくれた。ファームにも渡邉投手や山野辺選手、牧野選手など未来のレギュラー・エース候補が揃う。先発、中継ぎ、野手と役割もハッキリしている為、非常に指名の意図が理解できる納得のドラフトだった。

 

2019年

1位 宮川哲   投手  東芝

2位 浜屋将太  投手  三菱日立パワーシステムズ

3位 松岡洸希  投手  埼玉武蔵ヒートベアーズ 

4位 川野涼多  内野手 九州学院

5位 柘植世那  捕手  Honda鈴鹿

6位 井上広輝  投手  日大三高 

7位 上間永遠  投手  徳島インディゴソックス 

8位 岸潤一郎  内野手 徳島インディゴソックス 

育1    出井敏博  投手  神奈川大 

当時の予想1位指名→佐々木郎希(公言)

実際の1位指名→佐々木郎希

ドラフト時70点→現在? 今後の期待値A

1位の佐々木郎希投手を外し、宮川投手を再抽選で獲得。馬力があり強い球を投げる選手で、中継ぎが薄いライオンズが欲しかったタイプ。表現が悪くて申し訳ないが、佐々木を外して良かったと思うような活躍を期待している。2位の浜屋投手もスピンの効いた素晴らしいボールを投げる。昨年の岡田選手の怪我離脱を柘植選手で補い、あとは将来性豊かな選手を指名。怪我さえ無ければ上位クラスの井上投手が6位で獲れたのが個人的に大きい。また、かつての甲子園のスターの岸選手の指名など、話題性もあったドラフトだった。

 

はい、というわけで10年間のドラフトを振り返らせて頂きました。ライオンズはドラフト上位の選手がしっかりと活躍してる印象でした。素材としては申し分ない選手だらけなので、この中から誰がエース、レギュラーになれるのかが今から楽しみです。19年ドラフト組は即戦力の宮川投手と浜屋投手に期待します。

 

それではまた