僕が思うドラフト戦略 セ・リーグ前編

あけましておめでとうございます。本年もゆるくマイペースにブログ更新していきます。

 

2020年度プロ野球が終わり、プロ野球の日常がない少し寂しい中、各球団期待のルーキー達が、入寮、新人合同自主トレを開始し始めました。

毎年そうですが、球団ごとに戦略があってチームに必要な戦力を指名しています。そこで今回はセ・リーグパ・リーグを4回に分けて、12球団がどの様なドラフト戦略を取っているのかを調べたいと思います。

 

あくまで個人的な主観なので、いち素人が考えてるものだと思ってご覧ください。

(データは2010年から2020年を使用します)

 

項目

1.過去5年間のドラフト1位

2.ドラフト1位の傾向

3.上位指名の傾向(外れ1位、2位〜3位)

4.中位〜下位指名の傾向(4位以降、育成指名)

5.その他、球団ごとのデータとまとめなど

 

読売ジャイアンツ

1.過去5年間のドラフト1位

16年 田中正義×→佐々木千隼×→吉川尚輝

17年 清宮幸太郎×→村上宗隆×→鍬原拓也

18年 根尾昂×→辰巳涼介×→高橋優貴

19年 奥川泰伸×→宮川哲×→堀田賢慎

20年 佐藤輝明×→平内龍太

 

2.ドラフト1位の傾向 

・巨人ファンの方が見られていたら申し訳ございません。ここ5年間は最初の競合に全て敗れる結果となっています。ですが指名傾向を見ると、パリーグ編に載せる予定の日ハムと似ており、球界の盟主の巨人にはスーパースター候補が必要であると言う意思は感じられます。その為、球団方針的に日ハム、ロッテなどと競合が被る事が多い印象です。ですが、かつての坂本選手や吉川選手などがレギュラーを掴むなど、結果オーライのパターンも多いと感じます。

巨人にはブランド力というものがあり、菅野投手、澤村投手、長野選手など巨人に入りたい選手を一本釣りすることもあり、相思相愛のドラフト1位をする事もあります。最近ではその様な相思相愛というのは見なくなったのですが、変わって高橋投手や、15年の桜井投手などのサプライズ1位指名が多い印象です。

 

3.上位指名の傾向 

・繰り返し申し訳ないのですが、巨人はくじ引きでの勝利がほとんどありません。なので、想定している1位指名は取る確率が低い為、外れ1位や2位などで弱点を補っている印象です。例えば18年の根尾選手を外した後、2位で同じショートの増田陸選手。16年の田中投手を外した後、2位で畠投手を指名などが挙げられます。

また、ここ10年の巨人は17年を除き、全てAクラスもしくはリーグ優勝を果たしているので、必然的にウェーバー順が後の方になります。くじ運の悪さとウェーバー順の関係で、想定していた選手を外し、2位以降も予定していた選手を先に獲られたら、巨人としてはかなり苦しくなると思います。

 

4.中位〜下位指名の傾向

・年やその時の戦力層によって異なるのですが、左右の高卒投手、バックアップの内野手、中継ぎタイプの左投手を多く獲っている傾向にあります。特に現状の巨人のリリーフ陣は、助っ人外国人や、トレード、FA等で獲得してきた選手が多く占める印象です。生え抜きで、かつての山口鉄也投手や、西村健太朗投手の様な絶対的なリリーフがまだいないと思います。最近でこそ7位指名ながら中川投手が台頭してきた為、今後はリリーフタイプの選手を獲って行くのかは見ものです。

また、資金力の多さから育成も大量指名しており、特に松原選手や増田大輝選手など俊足タイプの選手が多く支配下契約になる傾向があります。

 

5.その他、球団ごとのデータとまとめ 巨人編

・近年はサプライズ1位指名が多い。

・くじ引き負けが多いが、かつての坂本選手や吉川選手などレギュラーになったり、怪我の功名に繋がる事がある。

・外れ1位や2位の上位指名で、1位で外した弱点を補う指名が多い。また、外れ1位は即戦力投手が多い。

・東北、北関東出身またはその地域に関わる選手が多め。

・原監督OBの東海大ルート、阿部慎之助らOBの中央大ルートのパイプが強い。

・膨大な資金力で、戦力UPはFAや助っ人で行うので、近年の指名は高校生や素材方の選手の指名が多い

・育成は俊足タイプ、巧打タイプが成長する傾向がある

 

阪神タイガース

1.過去5年間のドラフト1位

16年 大山悠輔(単独)

17年 清宮幸太郎×→安田尚憲×→馬場皐輔(2球団競合)

18年 藤原恭大×→辰巳涼介×→近本光司

19年 奥川泰伸×→西純矢

20年 佐藤輝明(4球団競合)

 

2.ドラフト1位の傾向

・巨人と並び、同じ位の伝統とブランド力のあるチームの為、やはりスーパースターを競合覚悟で獲りにいく傾向にあります。とりわけ投手有利の甲子園をホームとしているので、巨人以上に好投手が現れたら、未来のエース候補として獲りに行く傾向があります。しかし、1回目の入札で競合獲得したのはここ10年で藤浪投手だけと、とりわけくじ運は良くはありません。(阪神ファンの方すみません) 外れた場合は、左の本格派、技巧派を指名するパターンが多いです。

またここ数年は金本監督、矢野監督に代わり大山選手の指名以降、生え抜きでチームを作ろうとする切り替わりが感じられます。特に大砲候補は常に狙っている印象です。そして20年に待望の大砲候補である佐藤選手を獲得出来ました。さらにチームの生まれ変わりが期待されます。

 

3.上位指名の傾向

・2位の指名は、ポジションは様々ですが、高卒、大卒が多い印象です。特に高卒選手を指名する時は、春夏の甲子園での活躍をした選手を指名する傾向にあります。

即戦力を多く獲る年、野手を上位3人獲る年、高卒で3人獲る年など、阪神の中で指名の法則は特に感じられません。先程の巨人と違い、2位では、チームに優先的に欲しい選手を指名している印象です。

 

4.中位〜下位の傾向

阪神は下位指名からの掘り出し物が多いと感じます。特にリリーフタイプの投手を下位で指名して、中継ぎの柱にしている印象です。また、3位からの指名にかけて、野手を指名する時は、俊足タイプか巧打タイプを指名する傾向があります。一発長打は少ないものの、広い甲子園の外野の間を抜けていくような打球を放てるタイプが多いです。

 

5.その他、球団ごとのデータとまとめ 阪神

・スポーツ紙などでは、阪神が獲りそうな選手は「虎の恋人」や阪神がリストアップなどの表現がよく使われる。

・真弓和田政権時代と、金本矢野政権時代で指名がガラッと変わった印象

・ドラフト1位はくじ引き覚悟で行く事がかなり多い

・野手はかつての鳥谷選手の様な左打ちの中距離、または俊足タイプ多め。

・地元関西と九州地方出身の選手が多い印象

・ドラフト3位か4位で捕手を指名する確率が高い。

・下位指名の大卒、社会人が一軍の戦力になっている(糸原選手、岩崎投手など)

 

中日ドラゴンズ

1.過去5年間のドラフト1位

16年 柳裕也(2球団競合)

17年 中村奨成×→鈴木博志

18年 根尾昂(4球団競合)

19年 石川昂弥(3球団競合)

20年 高橋宏斗(単独)

 

2.ドラフト1位の傾向

・中日は地元愛知県を含む、東海地区のルートを大切にしており、ドラフト1位候補が東海地方出身者なら競合でも指名する傾向にあります。また、近年は与田監督の強運もあり、18年根尾選手、19年石川選手と当たりくじを引く事ができ、20年は地元出身の未来のエース候補として単独で高橋投手を指名しました。地元枠を大切にしつつ、強運で好素材を獲得する地域密着型の1位指名という印象です。

 

3.上位指名の傾向

・ここ10年で、2位を野手で指名したのは16年の京田選手のみと、2位はほぼ投手を指名しています。特に、1位で野手を指名した時は、2位はとりわけ投手に行く傾向があります。2人連続で野手を行くドラフトは、分離性を除きだいぶ遡る為、投手メインでの上位指名になります。中日は上位で投手2、野手1を指名するバランスの取れたパターンが多い為、2位までの指名の傾向で、3位で指名する選手がかなり絞られてきます。(投手を1位2位で指名したら3位は野手など)

 

4.中位〜下位の傾向

・年によって社会人選手や、最後の指名で素材型の選手を指名する傾向にあります。先程の1位指名で地元枠を大事にしてると書きましたが、下位でも将来に向けて地元枠の素材型選手を指名しています。また、上位で高卒大卒と若い選手を指名する確率が高いので、ポジション問わず4位以降は即戦力の社会人選手を指名します。

 

5.その他、球団ごとのデータとまとめ 中日編

・ドラフト1位は地元東海地区出身の選手なら競合覚悟で獲りにいく

・ドラフト上位の基本ベースは投手2、野手1

・上位で若い選手、中位〜下位にかけて即戦力の選手を指名する傾向にある

・余力が有れば、下位指名で東海地区出身の素材型選手を指名する。1位でも下位でも、最低1人は地元枠で指名している印象。

東邦高校明治大学、大商大学、トヨタ自動車などのチームにパイプがある

・近年は与田監督の強運が光る

 

以上で巨人、阪神、中日編を終わります。

次回はセ・リーグ後半となります。