お久しぶりです。筆者のくまです。
2022年のドラフト会議も無事終了しました。
まずは毎年言っていますが、指名された10名の選手の皆様、ようこそ埼玉西武ライオンズへ!
一ファンとして、指名された選手皆様を歓迎致します。
今年は絶対的な1位候補がいない中、1位で欲しい選手を確実に獲るためか、9球団が1位の選手を公言。それも9名とも被りがない異例の年となりました。
比較として、昨年はソフトバンクが風間投手、西武が隅田投手の2球団のみ、加えて隅田投手が4球団での競合となった事から、今年の異質さが伺えます。
そんな中、我がライオンズは、大学No1外野手との呼び声高い、早大の蛭間拓哉選手を1位指名で公言しました。果たして無事、蛭間選手を獲得出来たのか?そして今年はどの様な指名で補強を行ったのか、最後までご覧ください。
1位 蛭間拓哉 外野手 左投左打
(単独指名)
・2022年度のドラフト最初の指名は、一巡目では2013年の森選手以来、「10年に一度の野指名」。外野手に限ると、50年以上前に遡るほど、球団としては半世紀以上にも渡る、久しぶりの外野手1位指名でした。
選手としての特徴は、大学通算12本のホームランを放ったホームランアーチスト。ですがパワーだけでなく俊足も併せ持つ走攻守3拍子揃ったタイプ。吉田正尚選手からパワーを差し引いて、守備走塁をプラスしたイメージです。また高校1年時から4番を張り、国際大会の経験も豊富で、アマチュアでの実績は充分と言える選手です。スラッガータイプではありますが足もある為、将来は3番打者として打率3割、ホームラン20本前後、盗塁20個位を期待できる選手だと思います。
期待の若手外野手の伸び悩み、秋山選手の獲得失敗などもあり、来年から即戦力として起用出来るこの蛭間選手を狙ったと思われます。
今年は1位公言が9球団と多く、ライオンズも全体で3番目と、早い段階でこの蛭間選手を公言しました。それほど即戦力外野手の中では、トップという判断を下したのだと思います。
昨年は隅田投手を4球団競合で獲得成功し、今年は、公言一本釣りで危なげなく蛭間選手の獲得に成功しました。
また蛭間選手はライオンズと不思議な縁があり、出身地の群馬県桐生市は渡辺久信GMと全く同じで、渡辺GMの後輩さんが監督を務める前橋桜ボーイズというチームの出身。更に小学生時代にライオンズjrに入っていた過去もあり、進学先の高校では現在ライオンズでプレーしている渡邉勇太朗投手と、同い年のチームメイトでした。高校時代のエースと4番が、4年の時を経て、再びライオンズのユニフォームを着て、チームメイトとして戦う事になりました。
外野手の層が薄い今のライオンズなら、来期から即スタメンの可能性も充分あり得ます。不思議な縁で導かれた蛭間選手。一年目から新人王を獲れる様な活躍を期待しています。
2位 古川雄大 外野手 右投右打
・1位で即戦力の左の強打者の獲得に成功。続く2位指名では、近年需要が高い右打ち外野手の中でも、今年の高校生の中で屈指のポテンシャルを秘めた「大分のギータ」の異名を取る、大型外野手の古川選手を獲得。
フィリピン人の母を持ち、身長186cm、体重90kgの恵まれた体格に、中学時代リレーの選手としても活躍した100m11秒代の俊足に加え、強肩を併せ持つロマンの塊の様な選手。
甲子園出場経験はないものの、大分選抜にも選ばれた実績を持ち、憧れる柳田選手が在籍しているソフトバンクも狙ってたとされる逸材。
古川選手を指導した佐伯鶴城高の渡辺監督が「ダンプカーにF1マシンのエンジンを積んだような選手」と評する程、非常に馬力があるプレーが持ち味の選手。
リストの強さ、俊足強肩、身体能力抜群と、スケールが大きい大型スラッガー。大柄な体格ですがまだまだ伸び代を感じる為、身体が出来上がってきた数年後が非常に楽しみで、トリプルスリーを狙えるポテンシャルを秘めた将来の中軸候補です。
3位 野田海斗 捕手 右投右打
九州国際大付高 福岡県出身
将来的な選手タイプ→阪神梅野?
・上位2枠で手薄な外野手を2人指名。3位でこれまた補強ポイントであった高卒の捕手を獲得。ライオンズのドラフト歴史史上、上位3枠を野手で使った記憶はほとんどありませんでした。
野田選手は九州国際大付属高校で、4番打者、正捕手、チームの主将を務め、パンチ力のある打撃と強肩が売りの捕手。
捕手を兼任しつつ、投手としてもMAX146kmを誇る強肩を武器に、U18の日本代表にも選ばれた実績も持ちます。本人はスローイングに1番の自信を持っており、ランナーを出しても強肩を活かした二塁への送球で、投手を助けてくれそうです。
ちなみに九州国際大付属高校の楠城徹監督も、かつてライオンズでプレーしていた経験があるらしく、蛭間選手同様、不思議な縁で導かれた選手となりました。
更に主将としてチームをまとめるリーダーシップや、高校通算15本塁打を記録したパンチ力も併せ持つ確かな実力と、責任感が強いリーダーシップに優れる、次世代の正捕手として大きな期待がかかります。
憧れの森選手がいる我がライオンズに指名され、森選手を脅かす存在となって欲しいと思います。
4位 青山美夏人(みなと) 投手 右投右打
将来的な選手タイプ→日ハム金子千尋?
・最速151kmのストレートを誇る本格派タイプの右腕。オーソドックスでクセのないフォームから放たれるボールは、ストレート、変化球共に質が良く、しっかりとコントロールされている為、四球で自滅するタイプではない印象の投手です。大学日本代表にも選ばれたこの投手が4位まで残っていた事がとても意外でした。
変化球は、カーブやスライダー系に、亜細亜大伝統のツーシーム、そして決め球のスプリットが最大の武器で、三振を奪えるのも特徴。更に先発投手として長いイニングを投げられるスタミナを持ち、精神力も強くマウンド度胸もあるタイプなので、そこは非常に心強いと思いました。
投球スタイルとしては、正確なコントロールを武器に緩急を交えて打ち取っていくスタイル。先程も述べた通り、四球で大崩れしないタイプの為、先発としてゲームメイク能力が非常に高い投手です。
ストレートと武器のスプリットでどんどん内角にも攻める事が出来るので、美夏人(みなと)と言う爽やかな名前の反面、攻撃的なピッチングを行う事が出来ます。
恐らく先発候補だと思いますが、個人的にはリリーフとしての起用も面白いと思います。
今シーズンは投手陣が安定しており、光成、今井、松本投手ら右の3本柱に続く、新たなローテ候補として、大いに期待しています。
5位 山田陽翔(はると) 投手 右投右打
近江高 滋賀県出身
将来的な選手タイプ→阪神西純矢or広島中崎?
・まさかまさかの5位まで残っていた近江のエース投手。高松商の浅野選手と共に、甲子園を盛り上げた甲子園の申し子と言っても過言ではない選手を、この順位で獲得出来ました。知名度では、今年の指名選手の中ではトップクラスの選手だと思われます。
近江のエースで4番の山田投手は、投手としては気迫を全面に出すストロングスタイル、打者としてはクリーンアップを任される程のパワフルな打撃を誇る強打者で、ライオンズは投手として指名。
最速149kmのストレートは、胸元で伸びてくる様な軌道を描きミットに吸い込まれます。大きく曲がるスライダーは高校生では打つのは難しいでしょう。
1番の持ち味はなんと言っても気迫。マウンド上でも抑えた時の吠える姿は非常に見ていて気持ち良い。臆せずどんどん内角に投げ込める強さを持っているので、マウンド度胸は高校生離れしたものを持っています。
高校日本代表では、本来の先発ではなく抑えとして起用。短いイニングでのピッチングも短期間でこなせるクレバーな一面も見せつけました。
先発では阪神西純矢投手、リリーフだと広島の中崎投手に近いピッチングスタイルが分かれるのかなと言う印象を受けました。
ライオンズにはあまりいなかった気迫を全面に押し出すスタイルの若き剛腕。数年後、ベルーナドームのマウンドで相手打者をねじ伏せて雄叫びを挙げる姿を見るのが楽しみです。
6位 児玉亮涼 内野手 右投右打
将来的な選手タイプ→元中日井端?
・本指名ラストを飾ったのは、大卒社会人内野手の児玉選手でした。アマチュアでは長らくショートを務めた、守備に秀でた即戦力内野手です。大学時代には日本代表にも選ばれた実績を持っています。
身長166cmと決して身体は大きくはありませんが、内野のバックアップとして1年目からベンチ入りする力は充分あり、「職人」と呼ばれる高い守備力でチームに安心感を与えてくれる選手です。
プレースタイルとしては、50m5.9秒の俊足と評価の高い守備が1番の武器で、打席でも粘り強い打撃、右打ち、送りバントなどの小技も得意で、相手からしたら嫌らしいタイプ。イメージとしたは源田選手や、元中日の井端氏に近いプレイヤーとなります。
更にこの手に有りがちな打撃に難があるタイプではなく、社会人の大会では大事な場面でタイムリーを放つなど、チャンスに強い意外なパンチ力も魅力の選手です。
メインポジションはショートで、他のポジションが守れるかは不透明ですが、外崎選手の去就次第や、他の選手との兼ね合いではセカンド、サードの守備も期待します。高い守備力とスピードは既に即戦力の為、ベンチに置いておいたら安心出来る選手の獲得が出来ました。
育成1位 野村和輝 内野手 右投右打
東大阪大柏原高→石川ミリオンスターズ 大阪府出身
将来的な選手タイプ→ソフトバンク松田?
・ここからは育成指名で、まずはBCリーグで注目の右のパンチ力のある選手を指名しました。
東大阪大柏原高では一年から投手としてレギュラーを掴み、その後は三塁手に転向。サードと投手を兼任しつつ、高校通算で27本のホームランを記録した右の長距離砲。
183cm、93kgと恵まれた体格から放たれる打撃が魅力で、投手も兼任している為、強肩も光る選手です。また野球センスと伸び代は大きなものを感じました。
高校卒業後はBCリーグ石川に入団、サード、ライト、時折の投手も兼任しつつ、中軸打者としてプレー。わずか1年でNPBへの切符を手に入れました。
サードの若手候補も伸び悩んでる中、ブランドン、平沼選手ら、サードのレギュラー候補を脅かす存在になって欲しいです。
育成2位 日隈モンテル 外野手 右投右打
金光大阪高→OBC高島→琉球ブルーオーシャンズ→徳島インディゴソックス 沖縄県出身
将来的な選手タイプ→ヤクルト塩見?
・伊藤翔、上間、岸選手らが在籍していた徳島から、かつてヤクルトに在籍した、日隈ジュリアスさんを兄に持つ、大型外野手を指名しました。
高校では成長痛で3年間満足にプレー出来ず、様々なポジションを経験したり、コロナの影響等でチームを転々として、プロへの夢を掴んだ苦労人。
最大の武器は足の速さで、今年の7月に外野手に転向。自慢の俊足で野手転向間もないのに、チーム3位の13盗塁を記録しました。
持ち前の俊足と野球センスの高さを武器に、まだまだこれから大きく成長してそうな楽しみな存在です。
育成3位 三浦大輝 投手 右投右打
将来的な選手タイプ→中日福谷?
・育成3位で指名したのは、最速151kmを誇る速球派右腕の三浦投手でした。本指名4位の青山投手と最速は同じですが、ストレートの強さだけを見たら、三浦投手の方が上の印象があります。
三浦投手は愛知県内でも屈指の進学校出身らしく、強いストレートと頭脳的なピッチングを併せ持つ、これまでにあまりいないタイプの投手になりそうです。
楽天則本投手の強いストレートを持ち、頭脳派の中日福谷投手のピッチングスタイルの良い所取りの様な、新たなタイプの投手が生まれそうだと思います。
多彩な変化球と回転数が多いストレートを武器に、今年大きく飛躍したポスト水上投手の様な活躍を期待します。
育成4位 是澤(これさわ)涼輔 捕手 右投右打
将来的な選手タイプ→ヤクルト中村悠平?
・ライオンズが最後に指名したのは、強肩強打の大型キャッチャーでした。
三重県から群馬の健大高崎高、大学は東京六大学の法政大に進学と、一見エリートコースを歩んでいる様に見えますが、健大高崎では2番手捕手、大学ではあまりリーグ戦に出場する事が出来なかった苦労人。
二塁到達1.7秒を記録した強肩と、二塁打を多く打てるパンチ力のある打撃が持ち味ですが、その以上に練習の虫で、野球に対する姿勢も高く評価されている選手です。
決して華やかなアマチュア野球人生を送って来れた選手ではないですが、真面目な性格と向上心を持って、是非プロの舞台ではレギュラーとして大暴れを期待します。
はい、というわけで今年のライオンズが指名した。今年は弱点を埋める為の補強と、未来に向けて素材に振ったドラフトだったと言う印象を受けました。
補強ポイントをウェーバー順と計算して、必要な所から好素材を獲りにいったという納得の指名でした。5位の山田投手を指名してスター候補を育てたいと言う意思表示も良かったと思います。
さらに、FAの去就が注目される外崎、森選手の部分も、野田、児玉、是澤選手らでしっかりと補う事が出来きました。
あわよくば左の即戦力リリーフタイプが1枚欲しかった所ではありますが、それを差し引いても野手中心の思い切った指名で、個人的には満足したドラフトでした。
1位の蛭間選手は来年から外野のレギュラー、4位の青山投手は先発としてバリバリ、6位の児玉選手は内野のバックアップから内野のレギュラーを狙うダークホースに、それ以外の選手は素材を評価されての指名だと思うので、まずはファームでしっかりと鍛えて1軍の舞台で活躍する姿を楽しみにしておきます。
個人的には2位の古川選手、将来大化けしてそうでめちゃめちゃ期待してます。
以上、2022年埼玉西武ライオンズの全指名選手の紹介でした。
獅子の未来を担え!頼んだぞ!