2023年 ドラフト指名結果

2023年度のドラフト会議が終了しました。

まずは支配下、育成と指名された合わせて13人の選手の皆様、ようこそ我が西武ライオンズへ!皆様の入団を心より歓迎致します。

 

今年は4年振りの有観客でのドラフト会議、そして大学生投手豊作年という事で、例年以上の盛り上がりを魅せたドラフト会議となりました。

 

1位だけ見ると、新庄監督のくじを開けないパフォーマンスだったり、史上最多の7度の1位入札競合と、話題性も充分あったと思います。

 

我がライオンズは、ドラフト会議の2日目に國學院大学の武内投手の指名を公言しました。しかし、ドラフト前日にソフトバンクも武内投手の指名を公言。ドラフト開始前から競合が確定した中で臨む事になりました。

果たして武内投手は獲得できたのか?そして今年はどんな選手を指名したのか?是非最後までご覧ください。

それではどうぞ

 

 

 

 

1位 武内夏暉 投手 左投左打

八幡南高→國學院大 福岡県出身

(3球団競合)

将来的なタイプ→元巨人杉内

・爆発的な球威は無いものの、抜群のコントロールと球のキレが武器のサウスポー投手。最速153キロの直球と、多彩な変化球を丁寧に投げ分ける確かなゲームメイク能力を誇る先発タイプの投手です。

ドラフト当日は、同じく公言していたソフトバンクに加え、ヤクルトも指名し3球団での競合となりました。くじ引きの結果、2番目に引いた我がライオンズの松井監督が見事交渉権獲得のクジを手にする事が出来ました。

現状計算出来る左の先発が隅田投手しかおらず、即戦力として計算出来る投手の獲得に成功。すぐにローテに入れる左投手では最も評価が高く、来シーズンから先発投手としての活躍を大いに期待したいと思います。またかなりのイケメンなので、女性人気も高そうな選手になりそうです。

ちなみに余談ですが、21年滝澤「夏」央、22年青山美「夏」人と、3年連続で名前に「夏」が入る選手を獲得となりました。

 

2位 上田大河 投手 右投右打

大商大高→大商大 三重県出身

将来的なタイプ→ソフトバンク甲斐野

・2位指名は前評判の高かった剛腕右腕、上田大河投手で、上位2枠で即戦力の大学生投手を指名する事となりました。

最速154キロの重いストレートとカットボールで押していくパワー型の投手で、大学4年時にノーヒットノーランを達成。大学日本代表にも選出されました。

大学では主に先発を務め、安定した防御率を誇っていたものの、1イニングを全力で投げても対応出来そうな雰囲気もあるので、個人的には中継ぎ、そして守護神にも抜擢される可能性も充分あると思います。

マウンド上でのオーラもあり、ピンチでも屈しない強心臓の持ち主でもあるので、強い気持ちで相手に向かっていくピッチングを期待したいです。

 

3位 杉山遥希 投手 左投左打

横浜高 東京都出身

将来的なタイプ→阪神伊藤将司?

・名門横浜高校で1年生からエースの座を守り続けてきた左の好投手。現中日に在籍する涌井投手以来の久々の横浜高校からの指名となりました。

最速147キロの直球と、キレのあるスライダーで打ち取っていくスタイルのピッチングが持ち味で、フォーム、球筋等に非常にクセがなく、綺麗なボールを投げ込む印象です。

更に名門校でずっとエースとして投げ続けてきた為、責任感やメンタルと共に強いのも魅力です。

奪三振率の低さという課題はありますが、投球を映像を見ると、将来が成功するイメージしか湧かない投手であり、まずはしっかりファームで身体を作ってから、一軍の舞台に上がってきて欲しいです。今年の夏の甲子園で優勝した慶応高に神奈川県予選で敗れ、悔しさを露わにしていましたが、その悔しさをバネにプロで飛躍して欲しいと思います。

 

4位 成田晴風(はるせ) 投手 右投右打

弘前工業高 青森県出身

将来的なタイプ→元阪神藤川球児

・元阪神藤川球児氏に憧れるノビのあるストレートを投げ込む高卒右腕。藤田元投手以来の弘前工業高校からの指名となりました。

185cmと高身長で、お父様が元やり投げの元国体選手、お母様が元ハードル経験者と、陸上競技経験のある両親の身体能力を譲り受けたサラブレッド投手です。

全国的にはほぼ無名に近いですが、高校入学後に球速が15キロもアップしたという伸び代の高さを買われての4位指名となりました。

最速150キロのストレートに、横に逃げるスライダーをおり混ぜ、追い込んだらフォークで三振を奪っていくタイプの投球スタイル。

先発として育てて行くのか、それとも憧れの藤川氏と同じ抑えとして育てて行くのか、数年後が非常に楽しみな投手です。

ちなみにご実家がミニトマトとアスパラを作ってる農家を営んでいる模様で、ライオンズには光成投手と外崎選手のご実家がリンゴ農園を営んでいるので、ライオンズの農家農園が実家の選手は大成するという系譜を是非引き継いで欲しいです。

 

5位 宮沢大成 投手 右投右打

長野高→北海道大(在学中)→徳島インディゴソックス 長野県出身

将来的なタイプ→広島矢崎

・今年のドラフトは多くの独立リーグから選手が指名されましたが、我がライオンズも育成含めて5人の独立の選手を指名しました。その中で唯一の支配下がこの宮沢投手です。

宮沢投手は現在徳島インディゴソックスに在籍しながら、北海道大学の5年生として通っている異色の経歴の持ち主。

制球力に課題はあるものの、最速155キロのストレートは目を見張るものがあり、2種類のフォークボールとのコンビネーションでねじ伏せるパワー系の投手。2位指名の上田投手とスタイル的には似てますが、リリーフ登板の経験は宮沢投手の方がありそうです。

年齢も24歳なので、森脇投手ら離脱など最後まで不安定なリリーフ陣の一角として、1年目からブルペンの救世主として期待がかかります。

 

6位 村田怜音(れおん) 内野手 右投右打

相可高→皇學館大 三重県出身

将来的なタイプ→オリックス杉本

支配下指名唯一の野手指名で、個人的に指名してくれてめっちゃ嬉しい選手です。

身長196cm、体重110キロの恵まれた体格から放たれる圧倒的な飛距離を放つパワーが最大の持ち味。これまで中村選手、山川選手、渡部選手とぽっちゃり系スラッガーを好んで獲得してきましたが、村田選手は体重110キロながら、鎧の様に筋肉で鍛え上げられた、プロレスラーの様な体型の持ち主です。

その見た目と風貌から「伊勢のラオウ」「伊勢の怪物」「ガリバー」などの異名を取ります。

三重リーグではそのパワーで圧倒的な成績を残しており、ロマン砲として将来の中軸候補として期待が掛かります。ポジションはファーストですが、サードや外野も練習中だと言います。

またインテリ派でもあり、教員免許を保持していたり、バッティングの分析を卒業論文にしたり意外(?)な一面も。個人的には子供人気も高そうな選手にもなりそうです。

「伊勢のラオウ」から将来的には名前も似ている「レオのラオウ」として、ベルーナドームでのアーチ量産をするのか今から楽しみです。

 

7位 糸川涼太 投手 右投右打

川之江高→立正大→ENEOS 愛媛県出身

将来的なタイプ→元ソフトバンク摂津

支配下最後の指名は、即戦力投手の糸川投手で、これで支配下7人のうち、6人が投手の指名となりました。

大学時代は大学日本代表候補にも選ばれた経験があり、社会人ENEOSではDeNA1位指名の渡会選手とチームメイトでした。

最速149キロの直球に多彩な変化球を持つ本格派で、社会人投手としては珍しいシンカーの使い手でもあり、そのシンカーには絶対の自信を持っています。更にアウトコースへのストレートのコントロールも素晴らしいです。

社会人では先発・中継ぎどちらもいけるタイプで、先発ではしっかりとゲームを作ってくれる、中継ぎではゲームを壊さず投げてくれると言った様に、派手さはないものの、どの場面でも安心してマウンドに送り出せる印象です。

またメディア対応にも紳士的に対応して、ドラフト指名直後の非常に笑顔が素敵な選手だなと思いました。

ライオンズでは恐らく中継ぎとしての起用となると思いますが、大卒即戦力社会人投手として、一年目からブルペン陣を支える存在になって欲しいです。

 

以上が支配下選手になります。

ここからは育成選手も簡単に紹介します。

 

育成1位 シンクレア・ジョセフ・幸ノ助 投手 左投左打

ジョンオリバー高→コチス短大→メアリー大→徳島インディゴソックス カナダ出身

将来的なタイプ→ソフトバンクモイネロ

インパクトのある名前、経歴が話題となった身長193cmの大柄サウスポー投手。カナダ人の父を持つハーフで、19今年の5月にメアリー大を卒業後、徳島インディゴソックスに入団。メジャーの球団からも獲得のオファーがあったみたいですが、そこからわずか1年以内でNPB入りを果たす事になりました。

徳島入団後は主にリリーフとして登板。高身長から投げ下ろす力のある直球と、アメリカ仕込みのツーシームと高速スライダーで、打たせて取るスタイルのピッチングが持ち味です。ただ懸念点としては、日本の四季にまだ慣れておらず、特に夏の暑さに驚いていた模様で、1年間異国の地でプレーする環境に慣れる必要があると思われます。

打たせて取るタイプなので、奪三振率の低さ、制球力に課題はあるものの、素材としては非常に楽しみな存在です。特に絶対的な守備力を誇るトノゲンの二遊間の守備は鉄壁なので、1軍で投げる時は彼らの恩恵を受けて、安心して投げて貰いたいです。

 

育成2位 谷口朝陽 内野手 右投右打

広陵高→徳島インディゴソックス 徳島県出身

将来的なタイプ→元ロッテ今江?

・今年は多くの独立チームから選手を指名しましたが、徳島インディゴソックスから3人目の指名となりました。

広陵高校時代はベンチ外だったものの、140キロ以上のストレートを投げ込む好投手として、素材は評価されていました。

その後は徳島インディゴソックスに「投手」として入団。入団後は更に球速が伸び、最速153キロの直球を投げる、身体能力の高い選手に成長しました。

ただライオンズは「内野手」として指名。投手ではなく野手として驚きの指名もなりましたが、打撃センスも非常に高く評価されています。

昨年指名された野村選手の様に、野球センスを活かしたプレーヤーに今後期待したいと思います。もしかしたら二刀流プレーヤーとして育てていく可能性もあると思いますが、まずは自慢の身体能力を活かして、内野手として活躍して欲しいです。

 

育成3位 川下将勲(まさひろ) 投手 左投左打

函館大有斗高 北海道出身

将来的なタイプ→DeNA濱口?

・続く育成3位で指名したのが、高身長の高卒左腕エース候補です。

最速142キロと出力不足ではありますが、ストレートの回転数が2450回転と、プロ並みの回転数を誇る為、スピード以上に速く見えるストレートが最大の武器の投手です。

高校入学時は、体重50キロ、最速も120キロ前後だったものの、食事を3回から7回に増やしたり、ウェイトトレーニングの取り組み方を変えた結果、一気にプロ注目の投手に成長しました。

また女手一つで育ててくれたお母様に活躍して恩返しする為、練習や野球への取り組む姿勢なども高く評価され、性格も真面目な印象です。

今はまだ線が細い為、まずは身体作りからになると思いますが、ライオンズには左腕トッププロスペクト選手も多く在籍してるので、彼らのながらに乗って、杉山選手と共に、未来の左腕エースへと成長して欲しいです。

 

育成4位 金子功児 内野手 右投左打

光明相模原高→埼玉武蔵ヒートベアーズ 神奈川県出身

将来的なタイプ→巨人吉川

・2012年金子侑司、2013年金子一輝以来、久々の「金子」が名字の内野手を指名しました。

50m6.1秒の瞬足が最大の武器で、走攻守全てにスピードを活かしたプレーが魅力の選手です。

ただそれ以上に本人も1番自信があると言っているのが、遠投110mを記録した「肩の強さ」で、強肩を活かした内野送球も光る選手です。

バッティングでは広角に力強い打球を放つ中距離打者で、高校独立と共に主に3番ショートとしてプレー。武蔵ヒートベアーズ2年目は全試合出場を果たし、BC選抜として出場した試合日ハムの畔柳投手からホームラン、巨人との3軍戦では2安打を記録するなど、実戦向きの選手でもあります。

課題としてはエラーが多い事ですが、同じポジションには源田選手という、球界トップクラスの守備職人が在籍している為、是非弟子入りして、守備の誤解を間近で学んで欲しいと思います。ただ肩も強いので、外野へ挑戦してみるのも面白いかもしれません。

また武内投手同様、かなりのイケメンでもあり、女性人気が高くなりそうな選手だと思います。スピードと爽やかな見た目から華のある選手になりそうです。

 

育成5位 木瀬翔太 投手 右投右打

北嵯峨高 京都府出身

将来的なタイプ→ヤクルト奥川?

・綺麗なフォームから放たれる、綺麗な球筋のストレートを投げる右の好投手。

フォーム、球筋、投げ始めから投げ終わりまでクセが全くなく、アマチュアに詳しい方曰く「この投手は支配下でも指名されておかしくない」と言わしめた程で、育成ながら完成度の高い投手を育成での指名に成功しました。これはかなりおいしいのではないでしょうか?

最速146キロのストレートに、ウイニングショットの大きく曲がるスライダーは、右バッターからしたら逃げる様に曲がるので、右打者は攻略するのは難しそうです。

ポテンシャルは高いのですが、何度も野球を辞めようと思ったり、大学に進学しようか悩んだりして、紆余曲折した時期もあったらしいのですが、悩んだ末、高卒でプロ志望届を提出。育成ながら見事プロ野球の世界の扉を開きました。

様々な悩みがあった中でのプロ入りとなりましたが、プロの世界では思う存分、持ち味を発揮して活躍を期待しています。

 

育成6位 奥村光一 外野手 右投右打

静岡翔洋高-東海大学(中退)→群馬ダイヤモンドペガサス 静岡県出身

将来的なタイプ→ヤクルト塩見、並木?

・2023年度の西武ライオンズの最後の指名となったのは、右打ちの俊足巧打のセンター奥村選手でした。

最大の武器は50m5.9秒の俊足で、単純なスピードなら、先程の金子選手より速いです。金子選手は走攻守スピード感溢れるプレーが持ち味ですが、奥村選手は走塁場面での俊足を活かす選手です。

ダイヤモンドペガサス入団後は、1年目から首位打者を獲得。今年は盗塁王を獲得するなど、攻撃面では自慢の足を絡めたプレーで堂々の活躍を見せました。守備では主にセンターを守る為、ライオンズが手薄なセンター候補として、来季からのレギュラー争いも期待出来ます。

年齢も今年23歳と、育成指名された中では最年長の為、1年目から支配下を取って貰いたい存在でもあります。まずは自慢の足で代走から、そして1番センターのレギュラーの候補として、ライオンズの外野手陣を脅かすプレーヤーとなって欲しいです。

 

という事で以上13名の新人選手の紹介をさせて頂きました。

今年は貧打に苦しみ、野手中心の指名を予想しましたが、予想に反して、支配下の7人中6人を投手指名し、投手中心の戦略を取ってきました。

ただ終わってみて冷静に考えたら、光成、今井、平良投手らメジャー移籍を希望している選手も多く、それに備える為、投手豊作年である今年は先に好投手を、指名しておこうという球団の指名の意図が充分伝わりました。

 

武内投手の競合抽選に成功し、2位でも評価の高い上田投手、その後もウェーバー順、利き腕、高校生、大学生、社会人独立のカテゴリー計算して、バランス良く指名したという印象でした。ただ支配下で左の即戦力リリーフと、高卒内野手は1人ずつ指名しても良かったと感じました。そこだけ個人的にはマイナス点だったかなと思います。

指名直後に点数を付けるのはナンセンスですが、終わった時点での点数を付けるとしたら、90点はあげても良い、素晴らしいドラフトだったではないでしょうか?

 

去年はどちらかと言えば素材重視の指名でしたが、今年は即戦力中心の指名となりました。

競合獲得の武内投手は先発、上田投手、宮沢投手、糸川投手はリリーフとして即戦力投手としての期待。その中で村田選手やシンクレア投手はロマン枠として、スケールの大きな選手として育って欲しいと願います。

 

長くなりましたが、今回のブログを締めさせて頂きます。13名の新人選手の皆様、改めてようこそ埼玉西武ライオンズへ!これから交渉に入ると思いますが、皆様の入団心より歓迎すると共に、いちファンとして全力で応援させて頂きます。

 

獅子の未来を担え!