2019年度ドラフト組の1年目の成績を振り返る

開幕前の野球ブログ3部作に続き、昨年も行ったドラフト指名選手の1年目の選手の成績を振り返ります。

 

この短期間でハイペースでブログを書いていたので、正直疲れました()

 

さて、2019年度ドラフト組は即戦力指名が多かった為、一年目から活躍が期待された選手が多かったです。ライオンズが指名した選手は一年目どの様な成績を残したのでしょうか?

 

それではどうぞ

 

×佐々木朗希 

1位 宮川哲 投手 右投右打 奈良県出身

(東海大山形高〜上武大〜東芝)

49試合 2勝1敗0セーブ 防3.83(1軍)

・佐々木朗希投手を3球団競合の抽選で外し、2回目の入札で巨人との競合で獲得した、即戦力投手です。先発ローテ候補とも言われてましたが、リリーフとして開幕から1軍に帯同し、1年目から49試合に登板。荒々しい馬力のあるストレートを軸に、大きなカーブやフォークで三振を奪うパワー型の投手。社会人経験も豊富で、その新人離れした(?)見た目通り、マウンド上での度胸も素晴らしく、新人ながらピンチにも強い強心臓ぶりを見せつけました。やや四球が多いのが課題ですが、増田投手、平良投手に続く、ストレートで空振りを奪えるリリーフとして、既に欠かせない存在です。

 

2位 浜屋将太 投手 左投左打 鹿児島県出身(樟南高三菱日立パワーシステムズ)

12試合8先発 3勝3敗0セーブ 防4.97(1軍)

・社会人サウスポーの中で、河野投手(日ハム1位指名)と並び評価が高かった、こちらも即戦力の投手です。先程の宮川投手と違い、綺麗なストレートを軸に、スライダーやチェンジアップなので、的を絞らせないピッチングが持ち味の投手で、ゲームメイク能力にも優れます。先発希望でしたが、チーム事情で中継ぎスタート。その後、先発への調整を経て、後半戦は新人ながら、左の先発ローテーションの一角として投げてくれました。好不調の波が大きいですが、好調時の球の走りと、アウトコースへのコントロールが非常に素晴らしいです。今季は先発一本で勝負する為、一年間ローテを守って二桁勝利を目指して欲しいです。

 

3位 松岡洸希 投手 右投右打 埼玉県出身

(桶川西高〜武蔵ヒートベアーズ)

2試合 0勝0敗0セーブ 防13.50(1軍)

・最近のドラフトでは、BCリーグ独立リーグの上位指名も珍しくなく、この松岡投手も独立リーグから3位という高い評価を受けて指名されました。BCリーグへ入団して、元ヤクルトの林昌勇投手のフォームを参考にサイドへ転向したらスピードが向上。高卒からわずか1年でプロへの扉を開きました。たまたまプロ初登板を観に行って、1回2失点とほろ苦いデビューになってしまいましたが、サイドから放たれる自慢の速球は非常に速く、今後に期待が持てる投手だと思いました。今季は、サイドという特徴を活かし、中継ぎ陣に割って入る存在となって欲しいです。

 

4位 川野涼多 内野手 右投両打 熊本県出身(九州学院高)

58試合 36安打3本12打点3盗 打率.242(2軍)

・ヤクルト村上選手の2学年下の後輩にあたる、1番タイプのショートを守る選手です。西武入団後も、俊足巧打のスイッチヒッターとして、高卒1年目ながら2軍で積極的に起用されました。自慢の俊足を活かしたプレーで、高卒1年目としてはまずまずの成績を残しました。守備に課題はあるものの、同じショートのスイッチヒッターで現在は二軍監督を務める、かつての松井稼頭央さんの様な、三拍子揃った将来の正遊撃手となって欲しいと思います。

 

5位 柘植世那 捕手 右投右打 群馬県出身

(健大高崎高〜Honda鈴鹿)

17試合 7安打2本5打点1盗 打率.184(1軍)

・18年オフ、炭谷選手がFAで巨人に移籍。さらに19年途中、怪我で第二捕手の岡田選手が離脱。優勝を果たしたものの、最後まで戦えた捕手が森選手のみでした。その状況から、社会人歴4年と経験のある、即戦力社会人の柘植選手を獲得しました。安定した守備力を評価されて、シーズン途中から三番手捕手に定着。打撃でも2試合連続ホームランを放つなど、意外性のある打撃も披露しました。

ちなみに、高橋光成投手とは学年は違えど同い年で、かつて群馬県で甲子園出場を争ったライバル関係にあたります。それが時を経て、今ではチームメイトとなっております。森選手との甲子園優勝バッテリーも見たいですが、柘植選手との群馬バッテリーも見てみたいです。

 

6位 井上広輝 投手 右投右打 神奈川県出身(日大三高)

2試合 0勝1敗0セーブ 防9.00(2軍)

・指名時は怪我があり6位と順位を下げてしまいましたが、本来なら上位指名されてもおかしくない逸材です。怪我持ちとはいえ、この投手をこの順位で獲得出来たのは相当ラッキーだと思います。元広島の黒田投手の様なフォームから放たれるストレートを軸に、多彩な変化球も併せ持つ本格派右腕。怪我の影響もあり、1年目はリハビリ中心で過ごしました。そして2年目の今季はキャンプにA班帯同、そのまま開幕一軍を迎えました。このブログを書いている4月7日現在で、リリーフとして2試合登板するも、いずれも失点してしまうなど、ほろ苦いスタートとなりました。ですが怪我持ちだった事を考えると、デビューまで充分早かったと思います。この経験を糧に、幼い頃から応援していたライオンズの未来のエースとして、チームを引っ張っていって欲しいです。

 

7位 上間永遠 投手 右投右打 沖縄県出身

(柳ヶ浦高〜徳島インディゴソックス)

9試合6先発 0勝2敗0セーブ 防5.09(2軍)

・投低打高と呼ばれる独立リーグの中で、弱冠19歳にして最優秀防御率のタイトルに輝き、松岡投手同様、わずか高卒1年でプロへの切符を手にした将来のローテ候補です。スタイルとしては、ストレート、変化球共に精度が高く、主に三振を奪っていく投手です。特にシンカーボールには絶対の自信を持っており、左バッターが打つのはかなり難しい印象があります。また、状況に応じたピッチングも出来るので、今年21歳の若さにして、クレバーな投球も出来る投手です。井上投手同様、今季はキャンプA班

に抜擢されました。名前の通り永遠(とわ)にライオンズでローテーションを張って欲しい投手です。

 

8位 岸潤一郎 外野手 右投右打 兵庫県出身(明徳義塾高〜拓殖大(中退)〜徳島インディゴソックス)

5試合 0安打0本0打点0盗 打率.000(1軍)

・2019年ドラフト指名時、本指名の最後の最後で呼ばれたのがまさかのこの選手でした。かつて明徳義塾高の史上最高の選手と謳われ、高校日本代表にも選ばれた甲子園のスター。しかし進学先の大学を中退。野球はもうやらないと決めていた中、独立リーグへ入団。野球を離れていたブランクを感じさせないプレーで成績を残し、プロ野球選手へとなった壮絶な苦労人です。かつては投手でしたが、現在は外野手としてプレー。俊足を活かしたプレーで独立リーグでは盗塁王を獲得。さらに内外どこでも守れるユーティリティに加えて、元投手らしく強肩も武器の選手です。精神面にやや課題はあるものの、逆境を乗り越えた選手ですので、徐々に克服してくれると思います。

かつて高校日本代表でプレーした高橋光成選手、同じ徳島のチームメイトの上間投手と同じチームに入団となりました。甲子園の申し子と呼ばれましたが、その舞台をメットライフドームに移し、今までの鬱憤を晴らす様な大暴れに期待します。

 

育成1位 出井敏博 投手 右投右打 神奈川県出身(埼玉栄高〜神奈川大)

2試合1先発 0勝1敗0セーブ 防3.00(2軍)

・ラストは育成で唯一の指名となった出井投手です。大学時代からリリーフの起用が多かった為、西武入団後も恐らくリリーフとしてプレーを想定しております。周りとのレベルの差に何度も野球を辞めようと思っていた選手なのですが、岸選手同様、それでもプロを諦めずに指名された逆境に強い選手です。高身長を活かした角度のあるストレートとフォークが武器の投手です。同じ神奈川大の3学年先輩のDeNA濱口投手との対戦を望んでいる為、まずは2軍で結果を出し、支配下登録を目指して頑張って欲しいです。

 

というわけで2019年ドラフト組の1年目の成績を振り返りました。1位の宮川投手はリリーフで、2位の浜屋投手は先発ローテとして、5位の柘植選手は控え捕手として既に一軍に欠かせない存在となりました。即戦力という意味のドラフトでは成功だったと思います。この年は育成の出井投手除く大卒選手がおらず、高卒と独立リーグ出身の素材型選手、社会人出身の即戦力ときっちり分かれているので、松岡投手、

川野選手、井上投手、上間投手、岸選手、出井投手は焦らずしっかりとファームで結果を残してから、一軍で活躍する日を楽しみにしてます。

 

それでは来年は2020年度ドラフト組でお会いしまいしょう