個人的助っ人外国人通信簿(辻監督編)

個人的助っ人外国人通信簿、ラストの辻監督編でございます。

辻監督に就任してから、若手の積極起用、課題のショートに源田選手抜擢で、17年度2位。18年は圧倒的な攻撃力を武器に10年ぶりパ・リーグ優勝。翌19年も主力が移籍も2連覇と、手腕は確かかなと思います。

 

辻監督時代にはAクラス、優勝に貢献してくれる助っ人ら現れたのでしょうか

 

ブライアン・シュリッター 2017

右投げ右打ち 投手 評価A

先に言います。2017年度獲得した投手陣の唯一の当たり選手。抑え候補とも言われていたが、実際には8回のセットアッパーとして起用。

150キロを越すストレートに、ツーシームカットボール、シンカーでゴロを打たせるパワー型のリリーフ投手。さらに速球投手にありがちなノーコンとは無縁で、前半戦は抜群の安定感でブルペンを支えた。だが、後半戦から疲れが出たのか、打たれる試合が多くなり、CS3戦目でウィーラー選手に追加点となるホームランを打たれ、勝負弱さの烙印を押され、惜しくも退団となってしまった。

しかし、彼の貢献度は高いと思っており、先頭バッターに四球がやや多かったものの、外国人投手として久々に30ホールド以上をあげ、63試合で被本塁打がわずか1本とチームのAクラス入りに充分貢献してくれたと思う。

忘れてはいけないのが、大雨の中で鳥が乱入した楽天戦、その時マウンドにいたのがシュリッター投手で、長い中断と、雨による身体の冷え、マウンドがぬかるむなどで本来のピッチングが出来ずに、流石にマウンド上で苛立ってしまった。

帰りの車のラジオで聴いていて、あの試合は本当に気の毒だった。

 

フランク・ガルセス 2017

左投げ左打ち 投手 評価C

先発と中継ぎがこなせるサウスポー。逆を言うとそれしか取り柄が無かったような投手。

化け物じみた速球がある訳でもなく、凄い変化球を持ってる訳でもなく、針に糸を通すようなコントロールを持ってる訳でもなく、かといってスタミナがあるかと言われると、何とも言えない。左投げ版バスケスみたいな感じだった。

主に中継ぎ、特にワンポイントとロングリリーフとして一軍に滞在。一度だけ先発もあったが、先発にしろ中継ぎにしろ四球が多かった印象。18試合登板で四球18はちょっと‥。

起用法に囚われないのが評価ポイントだが、1年で退団となった。

個人的な話になるが、20歳の誕生日の時に楽天戦でペゲーロ選手に場外ホームランを打たれた投手。凄くいらない誕生日プレゼントとなってしまった。

 

アクレシス・キャンデラリオ 2017〜2017途中

右投げ右打ち 投手 評価D

ここ最近で1番のネタ外人となってしまった謎のミステリアス助っ人。全くパフォーマンスは通用しなかったが、加入してからのミステリアスぶりは半端なかった。

まず、様々な国でのプレー経験があり、日本を9カ国目の舞台として来日。何度も引退の危機を乗り越えたらしく、獲得時の球団のコメントが「ミステリアスさとハングリーさに期待したい」との事。

今までの助っ人の獲得の理由でミステリアスなんて聞いたことないぞ‥?ハングリー精神があるとはいえ35だぞ‥?

前代未聞のコメントを発表した球団に、少なからず疑問は抱いてしまった。

しかも、先発か中継ぎタイプなのか、どういう投球スタイルか、長所はどんな所なのか、ピッチングに関しての全く情報が入って来なかった。でも、せっかく来てくれたし、もしかしたら秘密兵器として活躍してくれる、僅かばかりだが、期待を込めた。

迎えた、5月2日のソフトバンク戦、来日初先発が最初で最後の試合となってしまった。

結果は3回7失点KO。2本のホームランで7点を失って2軍。その後ウェーバーで退団となった。

投げる前にマウンド上に何か書くのもルーティンとして話題となったが、最後までミステリアスなまま退団となってしまった。

 

ティーブン・ファイフ 2017途中〜2017

右投げ右打ち 投手 評価C−

先発陣の駒不足の為、獲得してきたのがファイフ投手。坊主頭に髭を蓄え、サングラスをかけた容姿が印象的だったが、ピッチングでの印象はほとんど残らなかった。

先発として1勝はあげたので、前年度在籍したポーリーノ投手よりはまだマシかなと思った。

 

ファビオ・カスティーヨ 2018〜2019途中

右投げ右打ち 投手 評価B−

ドミニカ出身の陽気な先発候補。「ファビちゃん」「ファイア」の愛称で親しまれ、入団会見で街中で見かけたら写真やサインで遠慮せず声をかけて欲しいと発言し、一躍ファンの心を掴んだフレンドリーな投手。

そんな陽気な男も、試合になると鋭い目つきになり、外国人特有のゴリゴリの手投げフォームから150キロを軽く越すストレートで押す豪快な剛球派。

迎えた来日初登板はライオンズが苦手としてるソフトバンク戦。5回までパーフェトに抑え、6回途中まで1失点で来日初勝利。その後も先発ローテの柱として6月まで5勝をあげる。

順調だったカスティーヨ投手に突如、試練が訪れる。それは抑えへの配置転換だった。

この年は抑えの増田投手が不安定であり、豪速球を武器とするカスティーヨ投手が代役で選ばれたのは納得できる。

しかし、リリーフ転向後は慣れない急な配置転換の影響か、打たれたりセーブ失敗する試合が増えてしまい、右肘の張りで登録抹消、そのままシーズンを終えてしまった。

19年もリハビリ組としてチームに残るのだが、1軍登板は0でシーズン途中でウェーバーとなってしまった。

結果論とはいえ、リリーフ転向が失敗に終わってしまい、19年の戦力として復活出来なかった。シュリッター投手同様気の毒な采配となってしまった。

辻監督を一緒にモヒカン刈りに誘ったり、初登板初勝利の時のヒーローインタビューで、森選手と共にお立ち台に登り、仲良しそうにハグするシーン。ライオンズが好きである事が伝わったので、是非とも復活して欲しかった。

 

ニール・ワグナー 2018

右投げ右打ち 投手 評価C

盆栽が趣味という和の心を持つリリーフ右腕。

ストレートと落差の大きいフォークで三振を奪うタイプだったが、やや制球に苦しむ場面が多かった印象。

後に入団したヒース、マーティン投手の活躍もありシーズンオフに退団となった。

ちなみに誕生日が1月1日らしい。

 

デュアンテ・ヒース 2018途中〜2019

右投げ右打ち 投手 評価A

2018年、首位を独走するライオンズは投手に苦しんだ。特に抑えの増田投手の不振で9回を締める投手がいなかった。そこで白羽の矢が立ったのは、当時富山でプレーしていた元広島のヒース投手。加入後、最初は中継ぎでの起用を経て、抑えへと配置転換。球速、球威、ノビを兼ね備えたストレートと、大きく曲がるナックルカーブを武器に次々と三振を奪い優勝に貢献。

翌19年も抑えとして期待されたが、開幕戦でまさかの大乱調サヨナラ負け、その後も18年に比べて不安定なピッチングが続き、二軍落ちを経て中継ぎとしてプレー。19年オフに退団となった。

19年の成績は物足りないが、18年の加入はライオンズが優勝争いをしてる事もあって、素晴らしい選手の補強に成功したと思っている。

 

カイル・マーティン 2018途中〜2019

右投げ右打ち 投手 評価A−

2018年、優勝を目指すライオンズの補強は全て成功していた。開幕前にトレードで阪神から獲得した榎田投手が先発で11勝。シーズン途中に先ほどの新守護神ヒース投手。中日からリリーフとして小川投手を獲得。そして最後のピースとして加わったのがマーティン投手だった。

テキサス州出身らしくカウボーイハットで来日したマーティン投手は、7月末からの加入ながら8回のセットアッパーを任せられ、優勝に貢献。長身から角度のあるストレートに、決め球のチェンジアップでこれまた三振を奪っていくタイプ、年齢も若く来年以降の活躍も大いに期待した。

しかし、19年は先頭バッターに四球を与えて失点のパターンも目立ち、0安打で4失点という試合もあった。良い時は良いのだが、去年に比べて物凄くハラハラして見てる感じだった。

素質や伸び代は素晴らしいのだが、やはり制球難がネックになり退団となった。

コントロールさえ良ければ日本でもっと無双出来たのかも知れない。非常に惜しい投手だった。

 

ザック・ニール 2019〜2020現在 

右投げ右打ち 投手 評価A+

ラストを飾るのはここ最近の外国人先発投手の中ではナンバーワンと言っても過言ではない、神助っ人ニール投手。

ストレートはそこまで球威がないが、四球が少なく、ツーシームや多彩な変化球でゴロを打たせるタイプ。ニール投手自身も自分の投球スタイルを理解しており、手薄な先発候補の一角として名乗りをあげた。

開幕前は評価はそこまで高くなく、1勝1敗で二軍落ちした時は、外れとのレッテルを貼られたが、昇格してからは神がかり的なピッチングを披露。

宣言通り、四球が少なく、ゴロを打たせる投球がハマり、気づけば11連勝。優勝を決めた試合でも先発を務め、終わってみれば12勝1敗と11個の貯金を作り優勝に大きく貢献。非常に安心して観ていられた。

テンポも良く、ニール投手登板時は、野手陣の打撃も好調なイメージがあった。

さらにニール投手はライオンズ愛に溢れる選手でもあり、登板時には「源田の所に打たせれば大丈夫」と語るほど、ライオンズナイン、特に源田選手に絶大な信頼を置いている。

19年オフに日米との争奪戦も噂されたものの、2年契約で残留。開幕が延期になってしまったが、今シーズンの開幕投手に任命されている。

お立ち台での決め台詞「アザース」を、先発の時に毎回聞ける事を今シーズンも期待している。

 

以上が辻監督編でごさいます。外れ投手はいたものの16年の失敗から反省して、マーティン投手やシュリッター投手と当たりの助っ人を獲得出来るようになった印象があります。

 

18年の途中加入コンビや、19年ニール投手とここ2年間は助っ人外国人選手の成績が、チームの順位に大きく関わるんだなと改めて思いました。

今年加入した3人の選手はどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。日本での活躍を期待してこの辺で終わりとさせていただきます。

 

全3回に渡る個人的助っ人外国人通信簿、ご覧いただきありがとうございました。

 

p.s.

ウルフ投手しかり、ニール投手しかり、シュリッター投手しかり、打たせて取るタイプ獲りましょう。

 

おまけ(2020年新助っ人成績予想) 143試合想定

スパンジェンバーグ選手 右投げ左打ち 内外

135試合 打率.275 ホームラン7本 打点57 盗塁25

※下位打線or1番.3番で起用と予想、あわよくばホームランは10〜15本。個人的にはスピードもあるので盗塁も期待したい。

 

ノリン投手 左投げ左打ち 投手

21試合 8勝8敗 防御率3点台前半

※キャンプ時に怪我判明。怪我抜きの成績予想。大崩れしないタイプの印象の為、防御率はそこまで悪くないと予想。先発で起用。

 

ギャレット投手 右投げ右打ち 投手

58試合 2勝3敗30ホールド 防御率2.50

※セットアッパー起用。速球とナックルカーブのコンビでヒース投手に近い印象。制球難らしいが、改善されればこれより良い成績を残しそう。