2020年のライオンズを振り返る

早いもので2020年があと少しで終了します。

プロ野球もコロナ禍の中で、異例のシーズンが終了しました。そんな中、我がライオンズは3年振りに王座陥落するものの、Aクラス入りの3位シーズンを終えました。辻監督就任以来、4年連続でAクラス入りを果たしましたが、今年は4年間の中で1番苦しいシーズンだったと思います。

そんな事で今回は、2020年のライオンズを先発、リリーフ、攻撃面、守備面、首脳陣の5項目を各10点満点、合計50点満点で採点したいと思います。僕は素人なので、データなどはあまり触れずに、客観的に見て判断したいと思います。

 

1.先発投手 3点

主な先発投手陣

ニール、高橋光成浜屋将太、松本航、今井達也、ノリン、内海哲也

 

・今シーズンは先発投手陣の不調が目立ちました。開幕投手を託されたエースのニール投手が昨年の様な安定感がなく、持ち前のゴロを打たせて取るピッチングが出来てなかった印象があります。開幕前の練習試合で勢いのある球を投げていた今井投手もシーズンに入ると、フォームが固まらず、四死球による自滅、2軍調整やリリーフへの配置転換を余儀なくされました。さらに、昨年頭角を表した本田投手や、移籍3年目の榎田投手らコントロールに優れた投手の不調も目立ちました。

ただその中で、19年シーズン初の2桁勝利を果たし、今年も後半戦から、安定したピッチングだった光成投手が新エースとして台頭。ルーキーの浜屋投手も初めは希望していた先発ではなかったものの、後半からローテーション入りを果たし、ゲームメイク能力に優れるピッチングを披露。さらに怪我明け支配下復帰の興座投手もプロ初勝利をマークするなど、明るい話題もありました。ですが全体を通して、盤石のローテーションとは言えなかった為、3点と厳し目の点数をつけさせて頂きました。

 

2.リリーフ陣 9点

主な救援投手

増田達至、ギャレット、森脇亮介、宮川哲、平良海馬、平井克典、伊藤翔、小川龍也等

 

・対照的に、先発陣に比べてリリーフ陣はほぼ盤石と言っても良いくらい素晴らしかったと思います。10年前の俺達と呼ばれていた西武リリーフ陣に比べると非常に安心して見ていられる投手陣です。

今シーズンは新たに豊田コーチを迎え、リリーフ陣の立て直しを図りました。昨年問題が多かったリリーフ陣ですが、豊田コーチの理にかなった指導のおかげでわずか1年で整備が出来た印象です。

勝ちパターンの増田投手、ギャレット投手、平良投手が鉄壁。ギャレット投手は疲労で打たれる事もありましたが、年間を通すと充分抑えてくれたと思います。新人王の平良投手は高卒3年目ながら、160キロ計測などインパクトに残る強烈なピッチングが光りました。そこに馬力のある球を投げるルーキーの宮川投手、2年目で覚醒したフォーク使いの森脇投手が加わり、層がさらに厚くなりました。マイナス1点だけさせてもらったのは平井投手の使い方と、左が小川投手しかいなかったのが残念だった為、そこだけ引かせてもらいました。

ですが、今年はリリーフ陣しか良くないと言われたライオンズでしたが、増田投手がFA残留を決めてくれました。来シーズンも守護神として最後を締めてもらいたいです。

 

3.攻撃面 3点

・今シーズンの最大の大誤算でした。2連覇の要因だったパワーとスピードを兼ね備えた強力打撃陣が今年は不振に見舞われました。打撃フォーム改造が裏目に出た山川選手をはじめ、まさかの結果に終わった森選手、持ち前のパンチ力が今年は影を潜めていた外崎選手ら2連覇を支えたレギュラー陣が疲労からか揃って不振に喘いだ年となりました。

また今年に限って言うと、様々な問題がありました。

① 秋山選手が抜けた後の1番センターの絶対的なレギュラーが埋まらなった

② 全体的に層が薄く、特に外野手の層が薄い

③ 過去数年に比べて、盗塁数が少なく足で掻き回せなかった

④ 中村選手が怪我の影響で満足いく打撃が出来なかった。

→それをカバーする存在として2軍で無双していた龍世選手が不祥事を起こして出場停止処分で試合に出れなかった。

⑤  不振やレギュラーが決まってないポジションで期待の若手がポジションを奪えなかった

などがあげられます。

⑤は正直起用法とかとあると思いますが、それは後程。ですが、今まで固定したメンバーが揃って不振に陥った事により、そのツケが回って来たと感じた1年でした。反対にポジティブ要素しては、愛也選手、川越選手、柘植選手など期待の若手が初安打を記録した事。ムラはありながらもスパンジェンバーグ選手が様々な打順と攻撃である程度の成績を収めてくれた事。ベテラン栗山選手が1人気を吐き、37歳にして12本と自己最多本塁打を記録するなど、年齢を感じさせない精神的支柱としてチームを支えてもらった事です。来年こそは不振のレギュラー陣の復活、そして栗山選手を超える若手が出ることを願ってます。

 

4.守備面 5点

主なメインポジション  ※()内はサブポジ

捕手 森友哉、岡田雅利、柘植世那

一塁 山川穂高(三塁)、メヒア

二塁 外崎修汰(外野)、山野辺翔(三塁)

三塁 中村剛也

遊撃 源田壮亮呉念庭(一塁、三塁)

左翼    スパンジェンバーグ(三塁)、栗山巧

中堅 金子侑司、鈴木将平、高木渉

右翼 木村文紀、川越誠司

・1番評価に悩んだ部門です。まずショートの源田選手も当初不調で、エラー数も9と源田選手にしては多い結果となりました。しかし、最終的には、打撃成績共にある程度まで戻し、セカンドの外崎選手と共に二遊間でGG賞を受賞しました。今年のライオンズは後半から、二遊間の硬い守備を中心に、少ない点差を協力リリーフ陣で守り切るというライオンズらしからぬ(?)戦いに感じました。その中で、サードを守る選手が少なく感じました。スパンジェンバーグ選手のユーティリティ性に助けられ、主にレフトとサードを掛け持ちで守りましたが、いずれにせよ選手が足りません。一時期は、山川選手をサードで起用せざるを得ない状況でした。先程も触れましたが、こういうタイミングで、2軍で絶好調の龍世選手が、サードで出れなかったのが本当に悔やまれました。最後に捕手陣を見ると、森選手のリードの指摘とパスボールが目立った印象です。リード面は素人なので細かい所は分かりませんが、捕手としてのブロッキング能力が今年は少し欠けていました。森選手が不調の中、ベンチの捕手陣の起用もあったかと言われればそうでもなかったので、そこは次の首脳陣の部門で触れたいと思います。

 

5.首脳陣 5点

・ここでは、今シーズンの辻監督の采配、起用法、シーズン前と途中の補強、20年シーズンの反省を活かした来シーズンに向けたドラフトや新助っ人補強が出来たか、入団退団などを総合的にまとめました。

 

辻監督の采配と起用法 B−

・辻監督就任して最も大変なシーズンだったと思います。采配に関してはコロナ禍で制限もあった中、基本的にはその時のベストな采配だったと思います。ただ、起用法に関しては納得がいかないものが多かったです。

① 6連戦の中で、不調の森選手がほぼ全ての試合でマスクを被り、休ませない。

② メヒア選手とポジションが被るとはいえ、山川選手のサード起用

③ 主力の復調待ちが長すぎて、若手が出場機会が得られない。

④ リリーフを回の途中から投げさせ、そのまま回跨ぎ。抑えたら良いけど、打たれたらまた途中から回跨ぎの繰り返し

異例のシーズンな為、起用も難しかったと思いますが、主力をメインに起用する辻監督の起用法が今年は裏目に出てしまいました。それでもなんとかAクラス入り出来たのは、後半戦に入ってやっと戦い方が固まってきた結果だと思いました。

 

シーズン前と途中の補強 B−

補強選手

松坂大輔、森越祐人、スパンジェンバーグ、ノリン、ギャレット

・シーズンが始まる前に3名の助っ人を獲得しました。当初1番を期待されたスパンジェンバーグ選手はムラが激しいながらも、様々なポジションと打順を任され、まずまずの成績を収めました。続いて中継ぎのギャレット投手は前半戦は防御率0点台と抜群のピッチングを披露。中盤から後半戦にやや打たれてしまいましたが、それでも勝利の方程式として勝ちパターンでのマウンドを任されました。しかし、ノリン投手が怪我で開幕2軍スタート。遅れて初先発の時は、独特なフォームでまずまずゲームを作ったものの、それ以降は打たれ、1年でチームを去る事になりました。

またチームが先発と野手で苦しむ中、シーズン途中の新助っ人獲得はコロナ禍の影響もあり、仕方ない部分はありました。ですが、内野のバックアップとして阪神から獲得した森越選手が1軍出場0。育成からの支配下もなく、シーズン中のトレードもありませんでした。助っ人は難しいにしろ、同じ関東のチームからのトレードは模索しても良かったのではないかなと思いました。

 

来シーズンへのドラフト、その他の補強 A−

ドラフト→育成含め12人指名

トレード→吉川光夫投手(日)を金銭で獲得

助っ人補強→なし

FA市場→増田達至、熊代聖人、ギャレット残留

・最後に今シーズンの反省を踏まえての現段階での補強です。まずドラフトは外れ1位で巨漢内野手の渡部選手を指名。ちょっと意外でしたが、中村選手、山川選手の後継者としての次の4番候補としての期待は十分にあります。投手も課題ながら、野手多めのドラフト。中々面白い指名だったと思いました。続いてトレードで日ハムの吉川投手を金銭で獲得しました。かつてMVPに輝いた事もある吉川投手ですが、ここ数年は思うような成績を残せていません。左が足りない西武は投げっぷりの良さを買い、トレードで獲得。ドラフトで早川投手を外した為、これは理にかなった補強だと思います。個人的には先発で使って欲しいですが、渡辺GMの話からして、リリーフ今日が濃厚(?)の模様です。

また、ブログを書いてる12月27日現在では、新助っ人の補強はなし。助っ人の特に野手の補強がないのは少し寂しいですが、反対に今年は流失がありませんでした。昨年、単数年契約を結び、今年FAの動向が注目された増田投手でしたが、新たに4年契約を結ぶ事で残留。年齢を考えて事実上の生涯ライオンズ宣言をしてくれました。さらに内外のユーティリティでムードメーカーとしてもチームを支える熊代選手がFA残留。メジャーに戻ると予想されていた中継ぎのギャレット投手も残留が決定しました。