大丈夫?今年のライオンズ 攻撃面

2020年はコロナウイルスの影響で6月の開幕、パ・リーグは8月までの同一チーム6連戦など、異例のシーズンでの戦いを強いられてるのは間違いありません。

開幕から約2ヶ月経過して、選手や監督、スタッフさん含め慣れないシーズンでの選手起用や戦い方などがあるとは思いますが、その中でライオンズの状態が非常に悪いと感じてます。

個人的に今年のライオンズのここまでを素人ながらまとめてみました。

 

①打線の不振

・ライオンズといえば他球団を圧倒する攻撃力が最大の武器だと思います。しかし今年はその攻撃力が影を潜めています。昨年の首位打者森選手を始め、山川選手、外崎選手、源田選手ら主力が軒並み不振で、打線が繋がらない印象があります。研究されたのか、それとも何が原因があって不振なのか分かりませんが、ライオンズらしい試合が出来ていない印象です。その原因を次の②③④が僕なりの原因だと分析します。

 

②1番打者の固定が出来ない

・昨シーズンまで長らくライオンズの1番打者を担ってきた秋山翔吾選手が海外へ移籍。昨年までは秋山選手が1番としてしっかり出塁する事で、勢いが生まれ2番以降の選手もそれぞれの役割が果たせていたと思います。しかし、今年は1番打者が固定出来ません。最有力候補だった金子選手は練習試合で調子が上がらず9番で開幕を迎え、そのまま不振で現在2軍調整中。反対に練習試合好調で開幕1番のスパンジェンバーグ選手は足は速いものの、ムラが激しいタイプ。三振数もリーグワーストと1番としては出塁率があまり高くありません。今年新たにセンターのレギュラーに定着した鈴木将平選手は、一時期3割を超える打率を誇っていたものの、好調が途切れ最近では下位打線での起用となっています。

1番打者を固定出来ない状況の為、自分が出塁しないといけないという意識から本来のバッティングが失われていると思います。ですがこの状態の中で1番にふさわしいのは将平選手だと思います。経験は金子選手、スパンジェンバーグ選手に劣りますが、静岡高校やU-18でも1番として出場した俊足好打の1番打者タイプ。入団会見の時に、3割35盗塁を目指したいと言っていた為、自分の役割をしっかりと解ってプレー出来る選手だと思います。今年一年1番として起用して、出塁が望めれば再びライオンズ打線の勢いが蘇るのではないかと思います。

 

③盗塁数の激減

・2つ目は盗塁数の激減が原因だと思います。せっかくライオンズは足でかき回せる選手が多いのですが、今年は走ってるイメージがありません。

ライオンズの選手は得点圏に強い選手が多いので、足でランナーを得点圏に進めてから返すパターンで大量得点を奪ってきました。当然ランナー一塁と、ランナー二塁では打席での考え方も違くなってきます。長打が必要な場面から軽打に切り替えて、しっかりとランナーを返す打撃の方がミート力も上がるので、おのずと得点力も上がってくるとは思います。

 

④リーグワーストの三振数

・このブログを書いている8月11日試合終了後の三振数が359個とダントツワーストになっています。全も少ない楽天が315個なので約40個も多く三振を取られています。大砲タイプが多いライオンズにとって一発を狙う分、三振数が多くなるのは仕方ないですが、これでは打線に繋がりが生まれません。当然先程の盗塁も出塁しないと出来ない事ですからね。特に1番起用の多いスパンジェンバーグ選手がリーグ最多の三振数を喫しています。後に彼の事は少し触れますが、打線に勢いをつけたいの三振が多いのは頂けません。

 

ここであるデータを見て頂きたいと思います。

今のライオンズは2016年に近いです。16年のライオンズは20〜30発を期待できる打者がズラリと揃い確かに破壊力はあったのですが、あと一歩の所での繋がりを欠いたシーズンでした。

2016年はファイターズが優勝し、ライオンズは4位に終わりましたが、三振数はファイターズがワースト1位(1076)で、2位がライオンズ(1071)でした。なぜ三振数リーグワーストのファイターズが優勝出来たのか、2位のライオンズがBクラスなのか紐解いていきます。

 

2016シーズン 主なチーム成績

日ハム

打率.266 本塁打121 打点585 安打1277

盗塁132 犠打178 併殺打79

 

西武

打率.264 本塁打128 打点591 安打1287

盗塁97 犠打80 併殺打97

 

上の打撃成績はほとんど同じです。しかし、下の小技を絡めた所を見ると、違いは一目瞭然です。日ハムの方が三振数が多いのに関わらず優勝を果たしたのは、リーグ最多の盗塁数と犠打数を記録した小技がしっかりと決まっていた所にあると思います。また、併殺打がリーグ最小といかにチャンスを潰さない打撃をしていた事が分かります。

チームごとにバントや盗塁を多用する方針や起用する選手の違い、さらにこれに投手力と守備力が加わる為、一概に打撃指数だけで優勝したとは言えませんが、細かい所を大事にしていた日ハムが一枚上手だったと思います。一方のライオンズは打率はリーグトップを記録するも、小技がしっかり決まらず、大味な打撃に頼りがちで三振が多くなり、得点したい時に繋がりに欠けていました。

 

2020年のライオンズはこれに似ている印象です。その証拠に犠打数がリーグ最小、盗塁数リーグ5位と小技が全く決まりません。これではランナーも進められずやはり自分が決めなければという意識からか、あの時の様な淡白な攻撃になってると思います。

 

その他気になった所

スパンジェンバーグ選手について

どこでも守れ俊足巧打タイプの選手として今シーズンから新たに加入したスパンジェンバーグ選手。練習試合での好調を買われ、1番で開幕するも、正直ここまで甲乙付け難い成績だと思います。

先程も触れましたが、まず1番としては三振が多いです。現在リーグワーストの三振を喫しています。俊足巧打タイプの選手で三振が多いのは個人的には頂けません。特に日ハム宮西投手や、ソフトバンク嘉弥真投手の様な左のスライダー投手が苦手な様です。慣れないのかミート力が低いのかは分かりませんが、いずれにせよ1番としては出塁率が低すぎます。それに伴って、四球もわずかに4個です。また、足は速いのですが、盗塁が2個で思ってる以上に走っていません。打順の関係もあると思いますが、パワーよりスピードを期待させていると思うので、もっと走って欲しいとは思います。

また、どこでも守れるという触れ込みの守備は、レフトと中村選手休養時のサードがメインとなっております。確かに守れるポジションが多いのは助かりますが、打球の目測を誤るシーンが多いです。記録に残らないプレーが正直目立ってる印象です。また肩はかなり強いです。

最後に調子のムラです。これが一番気になってます。打ちまくった翌日は三振が目立つなど、日によって成績がかなり極端です。投手の得意苦手タイプもあると思いますが、ここまで極端では調子が良いのか悪いのかも判断が難しいです。なのでこれに関してはこれ以上は書けません。

恐らくフリースインガータイプで俊足と長打力もある為、OPSはそこまで悪い数字ではないですが、1番としては三振が多い。かと言って6〜7番あたりに置くと、得点圏での場面で弱く、打線の厚みを持たせる意味合いとしては少し弱い印象があります。

ですが、あわよくば元阪神マートン選手のミート力に、元西武のヘルマン選手のスピードを併せ持った成績を期待したいです。元ドラ1ですし、野球への姿勢は真面目なので期待はしています。

 

良い所

・足が速く、助っ人ながら盗塁を期待出来る

・守備に関してはどこでも守れる。また肩がかなり強い

・長打力もそこそこあるので一発も期待出来る

・恐らくどの打順でも対応OK。また、性格が良い

・使う方としては使い勝手が良い

 

悪い所

・1番としては三振が多い(特にスライダー系の左投手苦手)

・下位打線だと迫力に欠ける

・得点圏での打率が低い

・日によっての打席内容にムラがありすぎる

・選球眼が悪い(?)

・守備での目測を誤りがち

 

控えの選手の使い方

現在のライオンズは主力が軒並み不振で成績を落としています。その状況を打破する解決策の一つとして、ベンチの控え選手を使うという作戦があります。気分転換という訳ではないですが、ベンチの選手にはレギュラーとはまた違う長所があります。しかし、辻監督はベンチの選手を使うよりレギュラーの復調を待つタイプです。18.19年の様な状況なら、誰かが不振でもカバー出来たのですが、今年に限って言うとカバー出来る状況ではありません。良く言えば選手を信じて我慢して使う、悪く言うと頑固な起用です。この起用が過去3年間は良い方向に進んでいますが、今年は悪い方向に進んでいる印象です。

今の現状的に、新しい力というのは鈴木将平選手ぐらいしかいません。川越選手や、最近上がってきた高木選手ら外野手の若手は多いのですが、内野が少ないです。二軍で好調の龍世選手等を試して欲しいと思います。

また、一番の懸念は捕手の固定起用です。先程も申した通り、辻監督は選手の復調を待つタイプなので、長らく森選手を起用しています。しかし、自慢の打撃も調子が上がらず、リード面でも指摘を喰らうなど本来の姿とは言い難いです。森選手を休養またはDHで打撃に専念させるか、2番手捕手の岡田選手、守備が売りのルーキー拓殖選手らの起用もして欲しいとは思います。3人捕手体制のメリットは、3人いれば3パターン分のリードが出来る、それに加えタイプが違う捕手なので、3人の良さがそれぞれ活きる事に繋がります。

固定起用が悪い事では無いですが、ある意味こういう状況の為、新しい若手を試すチャンスだと思います。今、レギュラーにならなくても長期スパンで考えたら、今のうちに一軍を経験させるべきだと思いました。

 

ここまでが攻撃面です。今のライオンズは1点を取るのも非常に苦労するほど、打線が苦しんでいます。これに加え采配などが入るとは思いますが、貧打に関しては2014年の時の様な攻撃力に感じます。暗黒時代のライオンズを抜け出し、ようやくここまで来たので自慢の強力打線の復活を1日でも早く願います。

 

次回の守備面編に続きます。